量子科学技術研究開発機構(量研)と核融合科学研究所の研究グループは核融合炉内でつくり出す約1億℃の高温プラズマを冷却する新技術を実証した。微量のネオンを添加した水素の氷粒で冷やす。不安定になった高温プラズマは核融合炉の装置を損傷させる恐れがあり、効果的に強制冷却する技術が求められていた。 フランスで建設中の世界最大の核融合実験炉「ITER」では、1億℃以上のプラズマを維持し続けて、50万kWの核融合エネルギー(熱出力)を生み出す実験を計画している。課題の一つがプラズマを閉じ込める磁力線のカゴが崩れる「ディスラプション」と呼ぶ現象への対策だ。ディスラプションが起きると、高温のプラズマが真空容器の内壁に流入してダメージを与える可能性があるため、その兆候を捉えた段階でプラズマを強制的に冷却しなければならない。 プラズマを強制冷却する方法としては、これまでに水素を-260℃以下で凍結させてつくった