もはや悪い冗談としか思えないほどの機能不全に陥った日本の政治。まさにその象徴とも呼ぶべき現政権のトップを切り口にしつつ、隅々にまで無気力と無責任と無関心が蔓延した現代日本の堕落した実像を浮き彫りにしていく秀逸なドキュメンタリー。単なる政権批判に終わらないところがミソだろう。常日頃から政治に関心を持ち、国内外の報道に触れていれば、特に目新しい情報はないものの、しかしこうやって分かりやすく簡潔にまとめられると改めて暗澹たる気持ちにもなるはず。なぜこうなってしまったのか。見終えた後に強く感じるのは、国民自身が変わらねばならないということ。なぜなら、その国の政治は国民の写し鏡に過ぎないからだ。