近年、世間を騒がすバズワードのひとつがDX(デジタルトランスフォーメーション)です。先日も、テレビニュースのDX特集冒頭で「ここ数年、日本企業が呪文のように繰り返しているDXという言葉があります」という紹介をしていました。 実のところ、この紹介の仕方はかなり秀抜で、日本のDXの雲行きは結構、あやしいのです。果たして日本のビジネス界にとって、DXは永遠に呪文のままなのか。この深い闇を検証していきます。 そもそもDXとは? まず、「DXとはなにか」の復習から始めましょう。日本でDXが注目を集めたのは、経済産業省が2018年に発表した「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」(通称DXレポート)がキッカケです。DXの本質は以下のように考えられます。 『デジタルやデータによる変化はテクノロジーの変化ではなく、社会基盤や文化そのものが大きく変化。社会の価値基準や物差