目が黄色のミツバチ。両性の形質をもつ雌雄モザイクだが、体の左右で分かれているわけではない。(PHOTOGRAPH BY ANNIE O'NEILL) 2020年6月、ベテランの養蜂家ジョセフ・ズグルジンスキー氏がハチの巣箱を確認していると、きわめて珍しい個体が見つかった。黄色っぽい目をしたミツバチだ。 それだけではない。ハチの目は、色が抜け落ちているだけでなく、異常に大きかった。このハチは、腹部や翅、針などが明らかにメスの形態であるのに対し、目はオスに典型的な、大きなパラボラアンテナのような形だったのだ。(参考記事:「ただいま増加中 突然変異、青い目のコヨーテ」) 「私は1976年からミツバチを飼育していますが、こんなハチを見たのは初めてです」と、米国ペンシルベニア州で約600万匹のミツバチを飼育するズグルジンスキー氏は話す。