夏の日差しが落ち着いて、田園に稲穂がたれる風景は、誰もがホッとする日本の原風景だろう。赤トンボが優雅に飛ぶ姿を目にすると秋の訪れを感じるものだ。見るものの郷愁を誘うこの赤いトンボ、少なくなってきたとはいえ、都会でも水辺に行けば、見つけることはできる。 では、なぜあんなに鮮やかな赤い色をしているのだろうか。昆虫の赤色といえば、毒々しさを連想するが、赤トンボはのどかで平和な虫にしか見えない。そこで、トンボの研究者、産業技術総合研究所の生物共生進化機構研究グループの主任研究員・二橋亮さんを訪ねた。なんでも、動物界で初の体色変化を解明した人だというのだ。 赤トンボでも、赤いとは限らない 産業技術総合研究所には、工学や地質などの他に、生物を研究するグループがある。この探検隊にも、昆虫と細菌の共生を研究している深津武馬さんや、発光生物を研究している近江谷克裕さん、三谷恭雄さんに登場してもらった。今回は