静岡県民の意思は知事選で明らかに JR東海が建設中のリニア中央新幹線、最大の課題は「静岡県の理解と協力」といえる。6月に行われた同県知事選では建設の可否が争点となり、川勝平太氏が4選を果たした。県内を通る区間に建設許可を与えていない川勝知事の方針が県民に支持された形だ。そこでJR東海と静岡県との間の争点は何かを整理し、解決策を探ってみよう。 リニア中央新幹線の線路延長は品川-名古屋間285.6kmである。そのうち、静岡県を通る区間は長さ25.0kmの南アルプストンネル内の10.7kmだ。 2020年夏の時点での南アルプストンネルの大まかな概要図。静岡工区は未着工であると同時に、山梨・長野の両工区のうち静岡県内の区間も着工となっていない。資料提供:JR東海 国土交通大臣によってリニア中央新幹線の建設自体は認可されているので、JR東海は静岡県の意向を無視して建設を進めてよい。とはいえ、当時の太