米西部アリゾナ州フェニックスの空港で今年1月、出発準備をしていたアメリカン航空の旅客機の黒人男性客8人が「体臭に関する乗務員の苦情」を理由に搭乗ゲートへ戻される事案があり、人種差別だとの批判が高まっている。同航空スタッフは差別を認めて開き直るような発言もしたとされる。全米黒人地位向上協会(NAACP)は6月4日、再発防止策をとらない場合、黒人に対して同航空の利用を控えるよう呼びかけると警告した。 この事案は、黒人男性客のうち3人が5月下旬、アメリカン航空に損害賠償を求め、連邦地裁に提訴したことで表面化した。訴状によると、1月5日、ニューヨークに向かう旅客機内で出発を待っていた際、離れて座っていた8人は相次いで降機するよう乗務員から求められた。 機外に出た後に乗客が理由を聞くと「不快な体臭に関する苦情があった」と説明され、「差別ではないか」と抗議すると、スタッフは「そうだ、そうだ」と返答した