同時期に京都大学へ通うなど多くの共通点を持ちながら、事件には直接関与してないもののオウムの顔として責任を問われてきた荒木と、現在もサリンの後遺症と闘い事件と向き合い続けるさかはら。映画ではさかはらが被害者の立場から荒木と対話を重ね、時に親密な関係を築きながら、荒木が教団に入った背景や宗教団体の幹部を続ける理由に迫っていく。それぞれの故郷やゆかりの地を巡る旅をカメラに収めつつ、事件からちょうど20年となる2015年3月20日、彼らはともに東京メトロ霞ケ関駅で行われた被害者の慰霊式を訪れる。 2015年内に一度は形になっていたものの、編集や配給の都合により製作は難航。2018年に香港国際映画祭の企画マーケットで取り上げられ、同地域に拠点を置くGood Move Mediaが世界配給権を獲得したことで、プロジェクトが再び動き出した。マノエル・ド・オリヴェイラの短編「1 Seculo de Ene