墨田区を散歩するようになったきっかけ: 言問団子の店舗から桜橋方面に向かって3分くらい歩くと、交差点に面した位置に、文字通り「カド」という飲食店があった。 季節の生ジュースとくるみパンの店。この、盾のような看板には思わず足を止めてしまう。お店の公式Instagramを参照すると制作者の方々について詳しく書かれている。木枠の意匠を考案したのが志賀直三さん(小説家・志賀直哉の異母弟)で、実際に形作ったのが彫刻家の小畠廣志さんとのこと。 店主氏の先代(お父様)が創業してから2023年で65年目、当時から外壁を飾る看板は生物ではないけれど時代の証人のようで、口が利けるものならその声に耳を傾けてみたいと思わされた。 ここは老朽化した建物の外壁が崩落し、今年7月30日に閉店を余儀なくされてから、今度は茨城県の久慈浜に移転して新しいお店を始めることになったと聞く。 調理も接客も店主のおじさまがひとりで行