新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛が続く中、食品や日用品の販売を続けるスーパーの現場は疲弊している。忙しさが増す中で客のクレーム対応に追われ、人手不足が追い打ちをかけているという。 「これって“3密”だな」。埼玉県内のスーパーでアルバイトをする30代の女性は、東京都で外出自粛が要請された3月末の週末、密閉・密集・密接の「3密」に当たる異様な店内の混み方に気づいた。レジ前に行列を作る人たちで商品の補充ができないほどだったという。 空になったトイレットペーパーの棚を前に「在庫はないの?」「入荷はいつ?」と何度も聞かれたが、「未定」と答えるしかなかった。「何でないんだ」と声を荒らげる客もいた。女性は「目の前の相手を責めやすいからだろう。不安なんだろうな」と冷静に受け止めながらも、「不満をぶつけないでほしい」と願う。