「米中新冷戦の象徴」が帰国 中国時間の9月25日土曜日夜9時50分、中国政府がチャーターした中国国際航空のジャンボ機が、深圳宝安国際空港に降り立った。前方のドアが開くと、同地に本社を置くファーウェイ(華為技術)の孟晩舟(もう・ばんしゅう)CFO(49歳)が姿を見せた。創業者・任正非(じん・せいひ)CEOの長女である。 彼女は、バンクーバーで搭乗した際には、ブルーのワンピースを着ていた。だが、深圳に降り立った時には、中国共産党の党色である深紅のワンピースに着替えていた。そして、紅いカーネーションの花束を手渡された。 思えば孟CFOは、「米中新冷戦の象徴」のような人物である。「感動的な帰国」を伝えるCCTV(中国中央広播電視総台)のニュース映像を見ていて、私の脳裏に、3年前の「事件」が甦った――。 米中貿易摩擦が激化し、「米中新冷戦」と言われ始めた2018年の12月5日夕刻(カナダ東部時間)、