取材・文/白鳥士郎 伏見つかさが『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』を出版した時の衝撃は、今もありありと思い出すことができる。 (画像は『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』より) 読む前から面白さが伝わってくるタイトル。簡潔で読みやすい文体。スッキリと整理された、しかし魅力と特徴に溢れるキャラクターたち。そして実在のブログを作中に登場させ、発売に合わせそこでインタビュー記事を掲載するという宣伝手法。 ラノベにおける学園ラブコメというジャンルが、2008年8月10日という1日を境にして、激変したかのようだった。 ラノベ作家や編集者たちは『俺の妹』の成功にあやかろうと、似たようなタイトルの作品を大量生産した。 『俺の妹』の凄さは、それまでラノベに興味のなかった層を取り込んだことにある。 結果的にラノベ界は空前のラブコメブームに湧くことになった。 その1年後の2009年8月。 ラノベ界に新たな激