繊細とか敏感とは縁のない、田舎育ちの野生児だと自負していたのです。 はかなげなクララに憧れる、アルプスのペーターのように、 踏まれても起き上がる雑草のように、私は逞しいタイプなのです。 そんな私が、どういう訳か「香り」、 それも「特定の香り」に反応してしまうようなのです。 幼い頃から嗅いできた様々な故郷の香り クチナシやキンモクセイの濃厚な香り、 スイセンやウメの微かな芳香 田植えの頃の田んぼの匂い、稲刈りの匂い 雨の降りだす時の土の湿り気の匂い 海の潮の匂い、川の真水や苔の匂い 堆肥の匂い、家畜の匂い、汗臭い部室の匂い たき火の煙、蚊取り線香、 干した布団のお日様の匂い たくさんの香りに囲まれて育ち、一般的に「臭い」と言われる香り(牧場とか・・)を嗅いでも平気。 それなのに、近年流行っている「良い香り」と言われる香りが、臭くて仕方がないのです。 「臭いな~」と思うだけならともかく、 頭痛