新訂 新古今和歌集 (岩波文庫 黄 101-1) 作者:佐佐木 信綱 岩波書店 Amazon 丸谷才一の『後鳥羽院』から興味をもって『新古今和歌集』を読んでみる。古文に関しては過去に小西甚一の参考書を読み流しただけで、ほとんど馴染みがないのだが(受験勉強でもかなり苦手だった)、ずっと昔に読んだ『万葉集』よりかは時代が新しいこともあって、普通に読めるものも多い。岩波文庫版では訳文もつかず、漢字も旧漢字でかなり読みにくいのだが、気になるものがあればネットで調べればよろしかろう。いくつかこれは素晴らしいな、と思えた歌があったので、以下、日記やXにメモっていたものをまとめておく。 霜まよふ空にしをれし雁がねのかへるつばさに春雨ぞ降る まずは、藤原定家。この飛んで帰っていく雁の翼に春雨が降っている、というヴィジョン! おそらくそんなものは現実には見えもしないであろうに定家のキャメラはしっかりとその姿