森友学園問題に端を発した財務省の決裁文書改ざんを巡る訴訟は、国が近畿財務局職員の赤木俊夫さん(当時54歳)の自殺との因果関係と、賠償責任を一転して認めたことで突然の幕引きになった。国が国家賠償訴訟で認諾の手続きを取るのは極めて異例。関係者の証人尋問も実施していない段階での決着で、赤木さんの妻が最も望んだ真相解明を封じようとする国側の姿勢が透けている。 国側は15日に大阪地裁に提出した準備書面で、「いたずらに訴訟を長引かせるのは適切ではない」と強調。「決裁文書の改ざんという重大な行為が介在している本事案の性質を考慮した」と方針転換の理由を記載した。準備書面計3枚のうち、理由の説明はわずか1枚だった。