『ガンダム』の次の富野作品は…アフロヘアの主人公!? 第3~4回で取り上げた『機動戦士ガンダム』 (1979~)。諸事情によりTV放送が打ち切られ、短縮されたクライマックスの情報が漏れ伝わってくるたびに、見ることの叶わなかった幻を想像し補完する歓びを見出すことになる…というのは書いたとおりです。そんな機会は幾度となく訪れました。まるで自分の見たいものは必ずそういう運命を辿るかのように。 遡ること5年ほど前、本格的なSFアニメの嚆矢ともいえる『宇宙戦艦ヤマト』(1974)もまた、当初の構成プランよりも短縮された作品として放送されたし、決して満足のいくとはいえない環境で作られる、革新を目指した野心的作品の爪痕を見つけるたびに、自分たちが最初に見つけた変革への光明であると、与えられただけにも関わらず選ばれしものの自尊心が勝手に芽生え、単なるめんどくさい奴に変貌するのです。 その「めんどくささ」は
庵野秀明監督『シン・仮面ライダー』の公開で『シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース』で初不参加の樋口真嗣監督の評価が上がっている。 『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』 思い返せば近年の樋口真嗣監督は作品の戦犯扱いされるケースも少なくなかった。例えば映画評論家の町山智浩さんが脚本を担当した2015年公開の実写映画版『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』の評価は散々だったが、公開当時一部では「町山さんの脚本は良かったのに樋口さんの読み取る力や演出力がなくてダメにしてしまった」というニュアンスの批判があった。本作の評価は次第に「そもそも町山さんの脚本もダメだったのではないか」から「というか、町山さんは原作通りの脚本を書いたのに原作者の諫山創先生が『原作と全く違う話にして欲しい』と却下したらしい」という話にスライドしていき、現段階では「原作者が一番ヤバくて町山さんは被害者だった
俺はトクベツという願望の充足 世の中は思い通りにならないけど、願いは叶う可能性がある。そんな幻想にリアリティを感じるようになったのはいつの頃からでしょうか? なぜならば俺もしくは俺たちはトクベツだから! 市井に紛れている自分が実はトクベツな人間なんだ! お前たち凡俗とは違うけど今日のところは大目に見てやってんだ、そこんとこ忘れて勘違いすんじゃねえぞ! と心の中で吠える狐狼インマイマインド! それもこれもやはり、私が思春期に出会った富野喜幸※さんのせいです。 ※『ガンダム』シリーズの総監督。現・富野由悠季氏 あまりソリの合わない従兄弟含めて、一族郎党が実は地球に逃げ延びた絶滅寸前の異星人だった『無敵超人ザンボット3』(1977~放送)とか、空襲のどさくさ紛れに親父の仕事道具に乗ったら誰よりも上手く操縦できた理由が、まさかの環境に適応して進化した人類の変異種だった『機動戦士ガンダム』(1979
1979年14歳の春に突如現れたあのアニメ 今でこそ知らぬものはいないあの作品が、実は日陰に咲いた花だった…って事例は、幼いころからそのへんに転がってた。視聴率が振るわないのは内容に問題があるからだと、スポンサーのオモチャ会社やテレビ局が介入し、物語の改変や放送期間の短縮が横行、ヘタすりゃ打ち切りにだってなる。“会社にいる大人たち”に番組をズタズタにされる、理不尽な世の中の仕組みに、子供ながら悶々としたものだ。 あとになって作品の評価が上がり、理解を示さなかった世間が追いついて今さらのように騒ぎ出す。そんなときに付和雷同する大衆を冷ややかな視線で見下すようになった。連中があのとき時面白がっていればという、忸怩たる感情が、心の最底辺で沈殿し腐乱し異臭を放っていたのだ。 「俺たちは誰よりも先にいいものを見出してきた。センスとんがってるんじゃねえの?」と慢心し、消費しかできやしないのに、その消費
かつて、高視聴率を稼げる目玉として、テレビ番組の形で映画をオンエアしていた時代がありました。各局ともゴールデンタイムに、劇場公開終了した映画を独自のキャスティングで日本語吹き替えにして、前後に解説者が見どころを解説して、と至れり尽くせりのパッケージングで、毎週放送していたのです。 基本的に午後9時から始まり11時ちょっと前で終了する枠なので、CMを抜くと正味1時間半弱。世にある映画はだいたい2時間前後だったから、20分近くはカットされた編集版。だけど劇場公開時観ていなかったら、比べようがないのでどう違うのかもわからない。似ても似つかない、というか最悪の場合、台詞も音楽も番組都合に合わせて変えられた、まったく別物を見せられていたと後で知って、愕然としたのも良い思い出で、むしろそんなバージョンが何度目かのパッケージ化の特典として珍重されてたりもするから、何がどう正しいのかさっぱりわかりません。
いいこと尽くめのこの野帳。気がつけばもう20年以上の付き合いになりますが、これを本にしたいというありがたい申し出がありまして驚きであります。めちゃくちゃウレシイです。 でも、これもあくまで完成した映画という到達点にたどりつくまでの中間生成物なので、一枚画としては至らないものばかりなんで申し訳なさすぎます。そんなんでよかったら見てやって下さい。 (樋口真嗣特撮野帳「野帳のすすめ」より) 人が一度記憶したものを忘れてしまうのはなぜか。忘却は、「劣化」と「干渉」という2つの理由で生じるのだそうです。 劣化とは、一度記憶したことを後から使わないと時間と共に薄れていくことを意味し、干渉とは、類似の情報が記憶されているときにそれらにアクセスしづらくなることを意味します。 『シン・ウルトラマン』や『シン・ゴジラ』で監督を務めた樋口真嗣氏は、この忘却に抗うべく「野帳」と呼ばれるミニノートを常に持ち歩き、
1982年、17歳の私に灼きついた映画とは 断っておきますが、私の仕事は映画を作ることです。 料理も作らず飽食の限りを尽くす料理人は料理人とは言えません。だから私が映画を語るなんてもってのほかです。ひと様が作った映画についてしたり顔で講釈垂れたりとか何様だよと思うし、「そもそもそんな暇あったら映画作れ、あるいは作った映画をより良くしろ」と我が内なる声が叫ぶわけです。 だけど、結局のところ映画だけで育ってしまった人間の悪癖で、話題といえば映画のことばかり。映画のことしか語れません。しかもこれから作る映画のことについてはあまり積極的に語れません。語って聞かせたり読ませたりするよりも、出来上がった映画を観てもらいたいからです。 また、今まで自分で作ってきた映画をあれこれ補足するように語っても、どこか言い訳じみてしまうので、これまた観ていただくのが一番です。じゃあ、何の話ができるのか。 仮に歴史に
樋口真嗣監督「ウルトラセブン」は「間違った大人になる第一歩」 2022年10月29日 21:00 コアな話題を展開した(左から)樋口真嗣監督、樋口尚文氏、氷川竜介氏第35回東京国際映画祭のジャパニーズ・アニメーション部門で「ウルトラセブン」55周年記念上映のシンポジウムが10月29日、丸ビルMARUCUBEで行われ、樋口真嗣監督、映画評論家の樋口尚文氏、アニメ・特撮研究家の氷川竜介氏が出席した。 1967年の放送当時、樋口真監督は2歳。再放送での記憶として、「人間ではないモロボシ・ダンを、地球に来る宇宙人を拒む組織に入れていいのか、ウルトラ警備隊の基地にガキは入れなくて厳しいという思いが子ども心にあった」という。それでも、「ポインター号が登場する時に英語の歌が流れるのが格好良かったし、SF的な隠し味もあればスパイアクションのようなものもあって、間違った大人になる第一歩になった」と多大な影響
シン・ウルトラマン どうも、管理人のタイプ・あ~るです。 さて『シン・ウルトラマン』の公開から早くも1ヵ月が過ぎましたが、いまだにランキング3位の高順位をキープしており、10日からはMX4D、4DX、Dolby Cinemaでの上映もスタートするなど、まだまだ勢いは衰えていません。 そんな『シン・ウルトラマン』に関して、先日ちょっと興味深い記事を見つけたので読んでみました(↓)。 www.pronews.jp この記事は、『シン・ウルトラマン』の編集に関わったスタッフに具体的な作業内容や苦労話などを聞いてまとめたものなんですけど、驚いたのは「プリヴィズの扱い」ですね。 プリヴィズとは、「撮影前に完成状態のイメージを検討するためにCGで簡易的に作った映像」のことで、『シン・ゴジラ』や『シン・エヴァンゲリオン』の制作でも大活躍していました。 アニメーションの現場では、作画作業に入る前に画コンテ
庵野秀明総監修・樋口真嗣監督作品『シン・ウルトラマン』が興行収入40億円超えが確実視される大ヒットとなっている。一方で庵野秀明総監修は『デザインワークス』内の手記で「続編は製作費が本作よりもかなり嵩む」「(続編の製作費は)本作の興行次第」という趣旨の記述があった。本作の企画段階での想定予算は8〜9億円とされ、実際にかかった費用はコロナ禍による公開延期などを踏まえて日本映画トップクラスの10億円前後だと推測されているが「もっとお金を出して欲しい」「正直、CGがショボかった」と残念がる声も目立つ。 『永遠の0』は目標興行30億円で製作費10億円 正しいです。製作費のだいたい3倍の興行収入で黒字になります。現在、興行収入が30億を超える大ヒット邦画は年に数本しかありません。だから上限は10億。通常のヒットは15億程度なので5億円以下が普通の映画の製作費です。@orange_0330 — 町山智浩
『シン・ウルトラマン』今の観客に“子どもの頃に感じたワクワク”を届けるための工夫は? 樋口真嗣監督が語る 映画監督の樋口真嗣が、人生に影響を与えた書籍の一節を紹介し、現在公開中の映画『シン・ウルトラマン』の制作エピソードについて語った。 樋口監督が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『ACROSS THE SKY』(ナビゲーター:玄理)のワンコーナー「DAIWA HOUSE MY BOOKSHELF」。本棚からゲストのクリエイティブを探る20分間だ。5月15日(日)のオンエアをテキストで紹介。 映画『シン・ウルトラマン』の監督の本棚に注目! 樋口監督は1984年公開の映画『ゴジラ』で映画界入りを果たした。以降、『日本沈没』『進撃の巨人』などの話題作の監督を務め、『シン・ゴジラ』では、日本アカデミー賞最優秀作品賞に加えて、総監督の庵野秀明さんとともに最優秀監督賞を受賞した。5月13日から
「センス悪い」「古臭い」「庵野に付着したゴミ」「進撃では町山のお陰で助かったな」ぐらいに思ってるオタクいくらでもいるんだけど フェミアカ連中が騒いでるならとりあえずフェミの方を撃退するんだよね。 在日の間でどんなに評判良くない奴でも ネトウヨが攻めてきたらそいつを突き出したりせず在日で団結して戦うでしょ? それと同じ。 差別主義者にいかなる戦果も与えたくないっていう警戒心。 攻めてきてる側が本当に樋口真嗣的なキショさを何とかしたいだけなら本来は全然共闘も相互理解も出来る。 でも残念ながらそうじゃないじゃん? オタクへの嫌悪と蔑視が本丸で「無限に取り締まりしたい嫌がらせしたい」なミサフェミ&オタクヘイターと オタクコンテンツに口出す利権を確保して仕事にしたいビジネスフェミなわけじゃん。 そうじゃない人も少しはいたとしてもさ。 これロシアVSウクライナと同じなんよな。 「ナチは良くない」と言う
『シン・ウルトラマン』の監督が庵野秀明監督ではなく樋口真嗣監督だった理由の一つに初代『ウルトラマン』がポジティブなビジョンに基づいているから、というのがあるという。 樋口真嗣監督は初代『ウルトラマン』について以下のように語る。 1964年の東京オリンピック後で、高度経済成長も続いていてどんどん日本が豊かになっていくという期待感がありました。1970年に大阪での万国博覧会が開かれることもすでに発表されていた(中略)そういう明るい未来が待っていることを子どもたちに伝えようとしていたんだと思います 『シン・ウルトラマン』イヤー開幕!樋口真嗣が語る、庵野秀明とのタッグと「ウルトラマン」と歩んだ道のり|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS 奇しくも『シン・ウルトラマン』が公開された2022年も2021年に開催された東京オリンピックと2025年開催予定の大阪万博の間に公開された作
庵野秀明総監修・樋口真嗣監督作品『シン・ウルトラマン』が大ヒットスタートを切った。 OP3日間で9.9億円、『シン・ゴジラ』超え “ウルトラ”大ヒット! 2022 年実写邦画 No.1! 公開から3日間で 観客動員数64万人 興行収入9.9億円突破! ! 映画『#シンウルトラマン』 たくさんの方にご覧いただき ありがとうございます! ぜひ、何度でも 劇場でお楽しみください!#大ヒット上映中 pic.twitter.com/7jM0gh7keU— 映画『シン・ウルトラマン』公式アカウント (@shin_ultraman) 2022年5月16日 公開初日からのオープニング3日間の興行収入は9.9億円と10億円に肉薄。これは最終興行82.5億円の庵野秀明総監督作品『シン・ゴジラ』のオープニング3日間の興行収入8.47億円を上回るスタートだ。とはいっても『シン・ゴジラ』が夏休み興行の7月下旬公開だ
ネタバレ注意 『シン・ウルトラマン』の長澤まさみ演じる浅見弘子は『エヴァ』のミサトだと思うと少し受け入れやすい気がする。 まず周囲がガヤガヤと話をしている中で余裕のある後ろ姿を追いかけるショットは『エヴァ』らしい音楽がかかっているのもあって物凄くミサトっぽい。「禍特対」で上司に「浅見弘子です」と堂々と自己紹介する感じも「葛城ミサトです」を思い起こさせる。自分の席に座ってスニーカーからハイヒールに履き替えて「プライベート」から「仕事」モードへの切り替え描写もミサトならやっていそう。神永に対する「男ならコーヒーくらい持ってこれないの?モテないわよ」みたいなセリフも「気合い入れるわよ!」とか言って自他のお尻を叩く感じも、巨大化した際のネットミームがメフィラスによって一斉削除されて「よっしゃー!」と叫ぶのも、意識してる異性から匂いを嗅がれて「お風呂入っていないから…」と恥じらう姿も、その他諸々違和
ネタバレ注意 庵野秀明総監修・樋口真嗣監督作品『シン・ウルトラマン』のCGの話。 youtu.be 日本映画のCGは実写映画、3DCGアニメ映画を問わず、アメリカの大作映画と比較すると「ちょっとショボいな…」と思うことが少なくない。これは予算の関係で「トライ・アンド・エラー」が繰り返せないからだと『寄生獣』の山崎貴監督や『アーヤと魔女』の宮崎吾朗監督が過去のインタビューで述べていた。そう言う事情を知ると手のひらを返すようだが、「ハリウッド大作の1/10以下の予算で、あのレベルまで仕上げてるのは凄いな」と感じてしまう。その中でも近年CGのレベルが格段で凄かったのが2016年公開の庵野秀明総監督作品『シン・ゴジラ』。フルCGで作られたゴジラのCGは動きが大きいシーンなどでは「ちょっとショボいな…」と思うところもあったが、基本的に質感が凄かった。また個人的に驚いたのが、ゴジラではなく中盤の多摩作
ネタバレ注意 企画・脚本等:庵野秀明監督の樋口真嗣監督作品『シン・ウルトラマン』が公開されたが、長澤まさみ演じる浅見弘子の描写が物議を醸している。 物議を醸してるのは「浅見が気合いを入れるときに自分のお尻を叩くが、それを他者にもやる描写」「浅見が巨大化した際にスカートの中に意識が向かうようにするアングルがある」「斎藤工演じるウルトラマンである神永新二が浅見の匂いを嗅ぐ」の3点という印象。 個人的に一番ノイズになったのが一つ目の「浅見が気合いを入れるときに自分のお尻を叩くが、それを他者にもやる描写」。二つ目の「浅見が巨大化した際にスカートの中に意識が向かうようにするアングルがある」は、その後のシーンで性的視線によりネットミームとなってしまった浅見に対して山本耕史演じるメフィラスが「こんな野蛮なことが起きるとは思ってなかった」という否定見解を示して、劇中でも「アレは女性を性的に消費するシーン」
ついに『シン・ウルトラマン』公開!(左から)早見あかり、西島秀俊、斎藤工、長澤まさみ、有岡大貴、樋口真嗣監督 13日、映画『シン・ウルトラマン』の初日舞台あいさつがTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、主演の斎藤工をはじめ、長澤まさみ、西島秀俊、有岡大貴、早見あかり、樋口真嗣監督が出席。長い月日をかけて完成したプロジェクトを振り返った樋口監督は、本作の企画・脚本を務めた庵野秀明に感謝を述べた。 禍特対メンバー集結!『シン・ウルトラマン』初日舞台あいさつフォトギャラリー 「ウルトラマン」の企画・発想の原点に立ち返り、未だ誰も見たことのない“ウルトラマン”が初めて降着した世界を描く『シン・ウルトラマン』。企画・脚本を庵野秀明、監督を樋口真嗣が務め、斎藤工演じるウルトラマンになる男・神永新二(かみなが・しんじ)と、彼の所属する防災庁の専従組織・通称「禍特対」(カトクタイ)の活躍を描く。 ADVE
見返り巨人は、途上にて輝く 冒頭のおなじみの渦巻きクレジットから(いや厳密に言えばその前に古式ゆかしい「東宝映画」のクレジットに始まり)、全篇これオマージュとそこからの飛躍、アダプテーションのつるべ打ちである。原点のテレビ映画シリーズ『ウルトラマン』をまるで見たこともない世代がこの作品を観たら、むしろすっきりとしたものに感じるのかもしれないけれども、軽快なテンポのなかにこれでもかと畏敬に満ちたオマージュとなるほどという翻案が反復されていて、満腹感を通過してちょっとくたくたになるくらいだ。 もちろんそんな『ウルトラマン』や『ウルトラ』シリーズ的記憶を持ち合わせていなくても楽しめるわかりやすい映画には違いないし、そんな観客を排除するような映画では全くないのだが、せめて今回の挿話の原点となったテレビ版のエピソードくらいは見てみたほうがこの作品の敬虔さとやんちゃさがいっそう愉しめるのは確かだろう。
1965年生まれ。東京都出身。高校卒業後、『ゴジラ』(1984年)で特殊造形に関わったことがきっかけで映画業界に入る。その後、庵野秀明氏らが設立したガイナックスに参加。95年公開の『ガメラ 大怪獣空中決戦』などの“平成ガメラ三部作”で特殊監督を務め、2005年に『ローレライ』で監督デビュー。以降、『日本沈没』(06年)、『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』(08年)、『のぼうの城』(12年)、『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』(15年)などの話題作で監督を務め、『シン・ゴジラ』(16年)では日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞 ウルトラマンをきっかけに出会った「庵野秀明」 庵野さんは学生時代に自ら演じたウルトラマンの自主制作の8ミリ映画『DAICON FILM版 帰ってきたウルトラマン』(1983年)の監督をし、全国各地の自主映画上映会で上映していました。僕は制
樋口真嗣監督最新作『シン・ウルトラマン』公開に便乗して樋口真嗣監督作品を「興行収入」を軸に振り返る。 『進撃の巨人』、二部作連続公開で後編半減 犬童一心監督との共同監督作品『のぼうの城』が興行的・批評的成功を収めた次の樋口真嗣監督作品は単独監督作品で諫山創先生の大ヒットコミックスを実写映画化した『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』と『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』の二部作だった。本作は超大型巨人は7人で操演するアニマトロニクス、人型巨人も雑魚巨人は生身の人間が特殊メイク、エレンら人類が変身したタイプはウルトラマン的着ぐるみで撮影しており、特撮とCGの融合を追求した映像「ハイブリッドVFX」が活かされている。 youtu.be そのため特撮ファンからは巨人描写への高い評価を得る一方で、特撮文化に思い入れのない原作及びアニメファンからは「原作
樋口真嗣監督最新作『シン・ウルトラマン』公開に便乗して樋口真嗣監督作品を「興行収入」を軸に振り返る。 『隠し砦の三悪人』のリメイクは大コケ 賛否両論ながらも『ローレライ』『日本沈没』と2作品連続でヒットを記録していた樋口真嗣監督だったが、日本テレビ製作の長編3作目『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』は興行収入9.3億円と10億円に満たない大コケとなった。本作は『日本沈没』に続き黒澤明監督の名作時代劇のリメイク作品と最初から分が悪い作品であった。また樋口真嗣監督曰く本作は宮崎駿監督の『ルパン三世 カリオストロの城』を意識したそうだが、それに加えて『スター・ウォーズ』を連想させるシーンも多かったため「オリジナル版が『スター・ウォーズ』に影響を与えたことをいいことに、リメイク版は開き直って『スター・ウォーズ』のパクリをやっている」と冷ややかな目を向ける人もいたという。 本作は興
樋口真嗣監督最新作『シン・ウルトラマン』公開に便乗して樋口真嗣監督作品を「興行収入」を軸に振り返る。 『平成ガメラ3部作』の特技監督で評価 樋口真嗣監督は高校卒業後に『ゴジラ(1984)』の現場にバイトとして参加して特撮の世界に入り、『平成ガメラ3部作』の特技監督として世に名を知らしめたとされる。実際、1作目『ガメラ 大怪獣空中決戦』の「東京タワーから落ちて破裂して紫の液体がベチャベチャと飛び散るギャオスの卵」や「破壊された東京タワーの上に座る夕日越しのギャオス」のショットはミニチュア特撮として魅力的。また3作目『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』の渋谷での戦闘シーンは爆発で人がゴミのように吹き飛ぶ描写など今観ても見劣りしない迫力に満ち溢れたものになっている。映像映えするガラス張りが特徴の京都駅内部での戦闘描写も、怪獣の着ぐるみ同士が駅のミニチュアの外ではなく中で闘うからこそスケールを感じる珍
樋口 庵野(秀明)が企画して、円谷プロさんに加え、『シン・ゴジラ』からの流れで東宝さんとやる形になりました。でも、庵野はゴジラよりウルトラマンのほうが好きだったはずで。昔、自主映画を作るだけでなく、自分で演じてたりするくらいだから、少なくとも我々のまわりで一番ウルトラマンを愛してるのは、庵野だろうと。そんな中、「俺が監督をやっちゃっていいの?」みたいな気持ちもあったのですが、庵野はまず、「『エヴァ』を終わらせないと」と監督を俺に委ねました(笑)。 ――『シン・ゴジラ』に続き、庵野さんとのタッグということで、どういったウルトラマンを作ろうと話し合われたのでしょうか? 樋口 まずは、“再び初代を作る”ということですよね。50年以上前に作られたウルトラマンを、現代の社会にふさわしい形で初めて登場させる思考実験のようなもので。『シン・ゴジラ』同様のコンセプトだったから、同じことをもう一度やるんだな
仮面ライダーシリーズ生誕50周年記念作として制作される特撮ドラマ「仮面ライダーBLACK SUN」の新たな情報が解禁されました。すでに発表されている白石和彌監督に加え、脚本を高橋泉さん、仮面ライダーや怪人などのビジュアルコンセプトを樋口真嗣さん、特撮監督を田口清隆さんが担当することが決定。2022年春からの配信開始が待ち遠しいです。 白石和彌監督の元、豪華スタッフが集結 2022年春配信開始 同作は、初代「仮面ライダー」への原点回帰をコンセプトに1987~88年に放送された「仮面ライダーBLACK」のリメイク。過酷な運命を背負った主人公の悲哀に満ちたストーリーを、「凶悪」「孤狼の血 Level2」などを手掛けた白石監督が新たな視点で描くとしています。2022年春に配信開始予定です。 脚本担当の高橋泉さん 高橋さんは、「凶悪」「ひとよ」「サニー/32」など白石作品には欠かせない脚本家。「朝が
(左から)田口清隆、白石和彌、樋口真嗣白石和彌監督の指揮のもと、仮面ライダー生誕50周年を記念してシリーズの中でも人気だった「仮面ライダーBLACK」を配信番組としてリメイクする「仮面ライダーBLACK SUN」の制作に、高橋泉、樋口真嗣、田口清隆ら豪華スタッフが結集していることが明らかになった。 1987年10月~88年10月に全51話で放送されたオリジナルの「仮面ライダーBLACK」は、暗黒結社「ゴルゴム」の次期創世王候補(世紀王)に選ばれた、南光太郎と秋月信彦が拉致されるところから物語は始まる。世紀王「ブラックサン」に改造された光太郎は脳改造を受ける寸前に脱出し、ゴルゴムと闘うことを決意。しかし、光太郎の前にはゴルゴムの戦士「シャドームーン」となった信彦が立ちはだかる……。 2022年春に配信を予定している「仮面ライダーBLACK SUN」は、「凶悪」や「ひとよ」など白石監督作を担っ
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