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熱力学の検索結果1 - 11 件 / 11件

  • 「なぜ時間は過去→未来にしか進まない?」を“量子もつれ”で説明か 未解決問題「時間の矢」に切り込む

    このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 普段感じている時間は、過去から未来へと一方向にしか流れていかない。このような時間が一方向に進む概念を「時間の矢」と呼び、物理学の未解決問題の一つとしている。この時間の矢を説明する新しい考え方を提案したのがこの研究である。 この論文では、宇宙が始まったときには「量子もつれ」は少なかったと主張(宇宙の初期状態が非常に低いもつれエントロピーを持つ状態であったという仮定)しており、これを「量子もつれの過去仮説」(Entanglement Past Hypothesis、EPH)と呼んでいる。 「量子もつれ」とは、2つ以上の量子がどんなに遠く離れていても互いに強

      「なぜ時間は過去→未来にしか進まない?」を“量子もつれ”で説明か 未解決問題「時間の矢」に切り込む
    • EV、粉塵の原因物質の発生がガソリン車より3割多く…CO2削減にも逆行

      「gettyimages」より 環境負荷が低いとされ、世界でエンジン車からの移行が進む電気自動車(EV)。経済協力開発機構(OECD)によれば、そのEVの走行時にタイヤの摩耗によって発生する、粉塵のもととなる粒子状物質「PM10」「PM2.5」はガソリン車より3割多いという(5月19日付「日本経済新聞」記事より)。走行時の二酸化炭素(CO2)や排ガスが少ないとして各国政府がEVへの移行を推進するなか、原材料の採掘や動力源となる電気の発電、廃車までトータルで見た場合のEVの環境負荷は低くはないとの指摘も多く、走行時の環境面でもガソリン車に対する優勢性が高くないとなれば、EVシフトの正当性が揺らぐ可能性も出てくる。 環境意識の高まりを受け、数年前から世界の自動車市場はエンジン車からBEV(電動車)へ大きく舵を切っている。先陣を切って野心的な目標を掲げたのが欧州連合だ。2035年までに全ての新車

        EV、粉塵の原因物質の発生がガソリン車より3割多く…CO2削減にも逆行
      • 【PySCF】IRスペクトル・熱力学的特性の解析【Pythonで始める量子化学計算】 - LabCode

        量子化学計算用のソフトウェア: PySCFとは PySCF(Python Simulations of Chemistry Framework)は、Pythonで書かれた無料・商用利用が可能なオープンソースの量子化学計算Pythonライブラリです。PySCFは特に電子構造計算に対応しており、密度汎関数理論(DFT)、ハートリー・フォック法、ポストハートリー・フォック法など多様な計算手法をサポートしています。利用者はPythonを用いて容易に計算セットアップを行うことができ、拡張性とカスタマイズの自由度が高いため、研究開発に適しています。[1]。 参考文献[1]から引用 IRスペクトルと調和近似 1. 調和近似と振動数解析の役割 振動数解析は、構造最適化計算における構造が極小であるかどうかを確認するために行われます。具体的には、振動数解析では実際のポテンシャルを調和振動子による二次関数的なポ

        • 天の川銀河で「ダイソン球」の候補を7個発見? 違ったとしても興味深い発見

          非常に高度な文明が建造すると予想されているものの1つに、恒星から放出される全てのエネルギーを利用するための巨大な構造物「ダイソン球(Dyson sphere)」があります。ダイソン球は赤外線の形で熱を排出するので、遠く離れた地球から完成したダイソン球を観測した場合、赤外線を過剰に多く放出する “恒星” として観測されるでしょう。 ダイソン球を捜索する「プロジェクト・ヘーパイストス (Project Hephaistos)」は、地球から比較的近い距離にある恒星約500万個を対象にダイソン球の捜索を行いました。その結果、ダイソン球の可能性を否定できない天体が7個見つかりました。もちろん、現段階では単なる自然天体である可能性の方がずっと高く、ダイソン球を実際に見つけた可能性は低いでしょう。しかしそれでも、かなり変わった性質を持つ恒星を発見したことになるため、興味深い発見と言えます。 【▲ 図1:

            天の川銀河で「ダイソン球」の候補を7個発見? 違ったとしても興味深い発見
          • お薦めしたら「お薦め返し」された書籍。はてなブックマーク、Twitter、オフ会のおかげで出会えた「知」

            膨大な情報から、どうやって自分に合ったものと出会えるか。 ここでは、本をダシにして、自分にぴったりの一冊と出会うための方法を紹介する。同時に、この方法で私が出会えてきた本も併せてご紹介しよう。 読むべき記事や追うべきトピック、押さえたほうが良いチャネルやお知らせはたくさんある。全部見てるヒマはないけど、自分にとって有益かどうかは、見ないと分からない。 長年、情報収集術には苦労させられてきたけれど、一つハッキリしているのは、「自分に有益な情報は、シェアするとシェアされる」という原則だ。 コメントでもSNSでもいい、「これが良かった!」とか「ここ役に立った!」と発信すると、そのメンションがつながっていって、最終的に発信者にとって有難い情報が手に入るようになる。 お薦めすると、お薦めが返ってくる。直接/間接・オンライン/オフライン問わず、回り回って、「それが良いならこれなんてどう?」というフィー

              お薦めしたら「お薦め返し」された書籍。はてなブックマーク、Twitter、オフ会のおかげで出会えた「知」
            • 物理における数学の理不尽なまでの有効性あるいは非有効性|KT

              物理と数学物理を学んでいると、あるいは研究していると、数学の威力に感銘を受けることが多々ある。多くのひとにとって、その最初の体験は、力学の運動方程式(微分方程式)を扱ったときであろう。たった一つの方程式を解くことで物体の落下や惑星の軌道、大学入試で出されるようなややこしい設定など、ありとあらゆる運動を記述できるのは、驚くほかない。 "The unreasonable effectiveness of mathematics in the natural sciences" という有名な言葉を残したのは数理物理学者のWignerである(Wikipedia)。自然科学とは大きく出たものだと思うが、実際には物理のはなしをしているので、そこまで深い意味はないのかもしれない。 冒頭に、「確率分布を表すのになんで円周率を使うんだ?円なんて関係ないじゃないか!からかっているのかい?」(アメリカンな雰囲気

                物理における数学の理不尽なまでの有効性あるいは非有効性|KT
              • 【知ってる?】「ビッグバン以前には何があった?」という謎への答えとは?

                カルガリー大学(カナダ)で歴史学修士号、ビッグヒストリーの世界的拠点であるマッコーリー大学(オーストラリア)でビッグヒストリーの博士号を世界で初めて取得。アムステルダム大学(オランダ)、マッコーリー大学、ソルボンヌ大学(フランス)など、世界中で講義を行ってきた。自然科学と社会科学のアプローチを組み合わせて、人類史における数学的なパターンや、数十億年にわたる宇宙進化の中での熱力学と複雑なシステムとの関係など、広範なタイムスケールでの歴史的トレンドを探究している。他の著書に『The Hitchhiker’s Guide to Big History』『The Shortest History of Sex』、共著に『The Routledge Companion to Big History』などがある(いずれも未邦訳)。1500万人以上がチャンネル登録している教育系YouTube番組「クラッ

                  【知ってる?】「ビッグバン以前には何があった?」という謎への答えとは?
                • システムのエントロピーをコントロールすることの大切さ

                  Photo by Aron Visuals on Unsplashこんにちは、Finatextの @s_tajima です。 今回は、社内向けに書いた、「システムのエントロピーをコントロールすることの大切さ」という記事を、社外向けにも公開します。「Finatextは、こんな考えのもとにシステムのアーキテクチャを決めているのか」という参考にしていただけると嬉しいです! この記事における「システムのエントロピー」とは、「システムの無秩序さ・乱雑さ」を表現しています。組織全体で技術スタックが統一されていれば「エントロピーは低い」、バラバラな技術が採用されていれば「エントロピーは高い」と言えます。 システムのエントロピーが低ければ低いほど、環境の把握は簡単で、改修のハードルが低く、自動化等もしやすいです。つまりアジリティが上げやすいのです。 逆に、エントロピーが高くなると、システムの理解に時間がか

                    システムのエントロピーをコントロールすることの大切さ
                  • スタニスワフ・レム『虚数』とテッド・チャン『あなたの人生の物語』に共通するもの

                    共通するテーマは、 「人間の科学」 だ。 「人間に関する科学」ではなく、「人間の科学」という言い方は、ちょっと奇異に聞こえるかもしれない。 なぜなら、科学とは人間が探求する知識体系であり、探求分野だから。「科学」の一語だけでこと足りる。わざわざ「人間の」と修飾語を付けているということは、人間じゃない存在、人間以上の存在が探求する領域を扱う科学だってあるかもしれない―――「人間の科学」は、そういう可能性を示唆している。 レム『虚数』に収録されている「GOLEM XIV」は、この可能性の先に存在する、非常に高い演算能力を持つAIだ。人間以上の知性を持つ存在が、「科学」を探求したらどうなるか? その結果を人間に対し、講義の形で伝えようとすると、何が語られるか―――を記した講義録が、「GOLEM XIV」になる。 人間が扱える処理能力や情報量は、人間のサイズに収まっている。コンピュータを使ってもい

                      スタニスワフ・レム『虚数』とテッド・チャン『あなたの人生の物語』に共通するもの
                    • 【サプライズ】物理学のための情報理論入門 @東京理科大学

                      東京理科大学物理学科の統計力学の講義にゲスト出演して情報理論の講義をしてきました。 ▼関連動画 ・情報熱力学 https://youtu.be/GlsdAaMb2H4 ・秘書問題 https://youtu.be/hUEtN6-kVqk ・シャッフル https://youtu.be/4fwSljox4Tk ・マルチンゲール法 https://youtu.be/jfk42-0meJQ ・コーシーの関数方程式 https://youtu.be/8o7zGW-OyGE ▼関連図書 ・情報理論 基礎と広がり https://amzn.to/4atlA8A ------------------------------------------------------ 予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」のチャンネルでは主に ①大学講座:大学レベルの理系科目 ②高校講座:受験レベルの理系科目

                        【サプライズ】物理学のための情報理論入門 @東京理科大学
                      • 【知ってた?】数億年前、地球が「まるごと氷で包まれた」衝撃の理由とは?

                        カルガリー大学(カナダ)で歴史学修士号、ビッグヒストリーの世界的拠点であるマッコーリー大学(オーストラリア)でビッグヒストリーの博士号を世界で初めて取得。アムステルダム大学(オランダ)、マッコーリー大学、ソルボンヌ大学(フランス)など、世界中で講義を行ってきた。自然科学と社会科学のアプローチを組み合わせて、人類史における数学的なパターンや、数十億年にわたる宇宙進化の中での熱力学と複雑なシステムとの関係など、広範なタイムスケールでの歴史的トレンドを探究している。他の著書に『The Hitchhiker’s Guide to Big History』『The Shortest History of Sex』、共著に『The Routledge Companion to Big History』などがある(いずれも未邦訳)。1500万人以上がチャンネル登録している教育系YouTube番組「クラッ

                          【知ってた?】数億年前、地球が「まるごと氷で包まれた」衝撃の理由とは?
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