白物家電はその多くが普及率100%に近いため、特に家電メーカーにとっては、成熟した旨みのない市場だといわれる。しかし今、洗濯機、炊飯器、冷蔵庫、エアコン、掃除機と、多くの製品で画期的な高機能化が進み、買換え需要を喚起させている。成熟市場はエンジニアがぶち破る。 ここ数年で白物家電市場に大きな変化が起きている。そのひとつが、下がり続けてきた平均価格が止まり、逆に向上していることだ。この背景には高額製品の売れ行き増と、買い換え需要の喚起がある。 例えば2004年度の洗濯機の国内出荷数は前年度比で3%の微増だが、洗濯乾燥機に限れば約30%増(日本電機工業会調査)。洗濯機なら5万円程度で購入できるが、新機種の洗濯乾燥機となると十数万円とかなり高め。しかし、高額製品のヒットは冷蔵庫、エアコン、炊飯器などでも起きており、2004年度の白物家電の国内出荷額は4年ぶりに増加して、前年度比3.3%増の1兆9