東日本の地方都市の郊外に建つ何の変哲もない一軒家。ここに神道系の宗教法人の本部が存在する。管理するのは「総代」と呼ばれる20代の男性。洋間の神棚から宗教色はうかがえるものの、リビングには洗濯物が散らかり、酎ハイの空き缶が倒れたままなど辺りには生活臭が染みわたる。 男性は毎日神棚に手を合わせるというが、教義に関する知識は「勉強中」とうそぶく。実際は単に建物の管理を任されているだけのようだ。 法人トップの代表役員によると、数年前、休眠して活動実態のない「不活動宗教法人」の法人格を譲り受けた。「細々と宗教儀式はしている」とはいうものの、この法人を所轄する都道府県は、代表役員の交代後も宗教活動の実態が不透明なことなどを理由に、不活動法人の枠内に留め置く。 不活動法人なら税優遇が認められない可能性もあったが、市側は一軒家の土地と建物を「宗教施設」として固定資産税を非課税とした。なぜ、ただの一軒家が宗