乳児用がもっぱらだった粉ミルクに、相次いで「大人向け」が登場している。健康のため、不足しがちな栄養素を手軽に補給したいという中高年を中心に人気を集めているという。 先駆けとなったのは、救心製薬が2014年4月に発売した「大人の粉ミルク」(7袋入り、税抜き1600円)だ。ヨーグルト風味で、100ミリリットルの水に1袋(9・5グラム)を溶かして飲むと、牛乳の約2倍のたんぱく質とカルシウム、ホウレン草4株分の葉酸などを摂取できる。 商品開発を始めたのは10年ごろから。「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の予防に牛乳を飲みたいけど、おなかがゴロゴロする」といった顧客の声がきっかけだった。 購入者からは「食の細いおばあちゃんの栄養補給に役立つ」などの声も寄せられているといい、今年度の出荷数は60万袋と、14年度の4倍近くを見込む。担当者は「製造が追いつかない。特に宣伝もしなかったのに」と驚く。 16年1