2021年の大みそかに放送されたNHK紅白歌合戦は、令和3回目のテーマに「Colorful~カラフル~」を掲げた。改元前後には平成の紅白で屋台骨を担ったSMAPの解散、嵐の活動休止が続いたが、今回総合演出を務めたNHK制作局チーフ・プロデューサーの福島明さん(40)は、「スター不在だなんて全然思ってない」という。今回の紅白には「若者に媚びている」という声も多かった。制作陣がパーソナルな思いを乗せた「最高の音楽番組の形」をひもときながら、「第72回紅白歌合戦ベストアクト」と演出の裏話を存分に聞いた。(全2回の2回目/前編から続く) ◆ ◆ ◆ 氷川きよし「自分の歌手人生と重ね合わせながら」 ――今年1月、氷川きよしさんが2022年いっぱいで歌手活動を休止することが発表されました。年末の紅白で美空ひばりさんの「歌は我が命」を歌い継いだ姿を思い出した人も多かったと思います。 福島 歌う直前のコメ