「キャラクターグッズを収集するオタクの心の闇。そういった先入観でこの作品を読み始めると不意を打たれるかもしれない。」 今年1月に『「推し」で心はみたされる?』を上梓した精神科医の熊代亨さんが話題の推し活小説『コレクターズ・ハイ』に見る、現代の病理とは。 これは癒し?それとも病み? キャラクターグッズを収集するオタクの心の闇。そういった先入観でこの作品を読み始めると不意を打たれるかもしれない。もっと広い範囲の読者の心に掴みかかってくる作品である。 主人公・三川は玩具メーカーでカプセルトイの商品開発の仕事に取り組んでいる。だが売れ筋商品をつくる要領がわからず、上司からの評価は低い。そんな彼女のストレスフルな日々の癒しになっているのがなにゅなにゅという架空のキャラクターと、そのキャラクターグッズだ。仕事の合間を縫うように、三川はなにゅなにゅのキャラクターグッズを手に入れようと奔走する。 コスパを