トップの仕事は、自分で手足を動かすことではなく、適切な人材に裁量を与えて、結果の責任を負うことなんだけど、安倍さんが選んだのは、尾身茂さんと西浦博さん。一方、野党第一党である民主党がブレーンとして選んだのは、上昌広さんと伊藤隼也さん。これでは勝負になりません。
西浦博 著/川端裕人 聞き手 厚生労働省クラスター対策班の中枢でデータ分析に従事し、「8割おじさん」と呼ばれた数理モデルの第一人者が、未知のウイルスとの闘い、専門家による情報開示への挑戦、政治家・官僚との葛藤まで、ストレートに本音を語る。新型コロナウイルスの第一波に直面した際、この国の科学者が総力を結集して流行の制御に立ち向かった、感動の記録。 書誌データ 初版刊行日2020/12/9 判型四六判 ページ数296ページ 定価1760円(10%税込) ISBNコードISBN978-4-12-005359-7 書店の在庫を確認 ❑紀伊國屋書店 ❑丸善&ジュンク堂書店 ❑旭屋書店 ❑有隣堂 ❑TSUTAYA
五輪が国内流行と独立であることは有り得ませんので、五輪についても盛んに話し合いが行われました。月日をかけて五輪のリスク評価体制の現状を皆で理解したり、実際に予期されるリスクについて議論したりし、五輪が包含するリスクの定性的な検討結果がまとめられました。それが尾身先生を中心に発表されることになっています。 専門家は突然に文書を公式会議に持ち寄るのではなく、情報交換の一環として、政府関係者にも検討内容を伝達する機会を事前に得てきました。その間、五輪のリスク評価については、多くの専門家有志は国内で慎重に発言する姿勢を貫かれてきました。 文書の公開も政府との調整を待って明言を避けてきたのです。ところが、このまま五輪開催を進める方向性が政治決定されたとの情報が回り、文書にしたリスク評価を述べる場や会議の機会が作られず、その話をしたくてもできない状態になってしまいました。 以上の経過から、尾身会長は国
5月下旬に新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が「パンデミックの状況で五輪をやるのは普通はない」と発言して以降、しばらくになります。 【写真】西浦博 教授が緊急報告、「第4波」が“これまでと違う”「4つ」の理由 このセンテンスが広く知られる一方、私のような専門家目線では、カギとなる発言として「どのような状況で感染リスクが上がるのか、しっかり分析して意見するのが専門家の務めだ」という文が極めて重要であると考えています。 いまこそ、落ち着いてこの感染症のリスクと向き合うことが何よりも重要だと信じています。本稿では、今回のことを契機にあぶり出された日本の新型コロナ対策の根幹となる問題について、その本質に触れつつ整理したいと思います。個人的には、以下に述べる問題点の改善は、今後、日本が“科学技術研究の成果”を政策活用に結び付けられる国となるのか否か、そのカギを握るものとさえ考えています。
西浦博 戦争状態になっても冷静でいられる気持ちの準備をして下さい。見たくない未来が待っているかも知れません。僕と僕の好きな若手たちが今までできたことは結果論として可能な限りの時間稼ぎ、というだけになるかも知れません。これまで日本で見られなかったレベルの流行に成り得ます。 呼吸が苦しいのに助けられず死んでいく人が出る。助けてほしいのに病院が溢れる。助けたい医師や看護師も数多く感染する。近しい親族や好きな人の安全が守れない。そんな事態が十分に想定されます。そんな事態でも、僕と押谷先生でクラスター対策でやったように、僕は日本人を信じてます。 https://twitter.com/nishiurah/status/1245112903381864448
免疫の失活が起こる 予防接種だけに頼った政策で集団免疫による流行自体の予防が簡単にはできない事実に加え、ワクチンの効果は接種後の時間とともに失活することもわかってきた。 これは主にイスラエルにおいて今年の早い時期から予防接種をしてきた高齢者が、最近になって新たに感染していることがデータとして集積され始めたことから判明した。具体的な持続期間は未だ明らかにされていないが、観察データを見て分析している限りは2回目接種後6-7カ月で感染している事例が珍しくない。 つまり、ワクチン免疫の持続期間は限られている、というものである。 他方、十分にわかっているのは発病の有無に関するものだけであり、重症化や死亡を防ぐ効果がどれくらいの間持続するのかは十分に明らかでない。今後のデータ蓄積で明らかになる見込みである。 これが意味するのは全2回の接種だけで予防接種が終わるわけではないということである。ウイルスの抗
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く