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量子コンピューターの検索結果1 - 13 件 / 13件

  • 「なぜ時間は過去→未来にしか進まない?」を“量子もつれ”で説明か 未解決問題「時間の矢」に切り込む

    このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 普段感じている時間は、過去から未来へと一方向にしか流れていかない。このような時間が一方向に進む概念を「時間の矢」と呼び、物理学の未解決問題の一つとしている。この時間の矢を説明する新しい考え方を提案したのがこの研究である。 この論文では、宇宙が始まったときには「量子もつれ」は少なかったと主張(宇宙の初期状態が非常に低いもつれエントロピーを持つ状態であったという仮定)しており、これを「量子もつれの過去仮説」(Entanglement Past Hypothesis、EPH)と呼んでいる。 「量子もつれ」とは、2つ以上の量子がどんなに遠く離れていても互いに強

      「なぜ時間は過去→未来にしか進まない?」を“量子もつれ”で説明か 未解決問題「時間の矢」に切り込む
    • 「東芝未来科学館」が一般公開を終了へ 63年にわたり親しまれた科学教育施設

      東芝は5月23日、同社の科学教育施設「東芝未来科学館」の一般公開を、6月29日をもって終了すると発表した。公開終了について「当社グループの事業ポートフォリオがBtoCからBtoBへ移行していることに伴い」としている。 東芝未来科学館は、1961年に小向事業所内に開設した「東芝科学館」を前身とし、2014年に川崎本社(スマートコミュニティセンター)の開所にあわせて同センター内に移転。現名称に変更して運営してきた。1961年からの累計来館者数は2022年6月時点で1100万人におよぶという。 同館では「先端科学技術・事業の情報発信」「産業遺産の保存・歴史の伝承」「科学技術教育・啓発活動の推進」を目的としていたが、B2CからB2Bへの事業ポートフォリオの移行にあたり、役割の見直すという。 一般公開終了後、「先端科学技術・事業の情報発信」機能は、24年2月に開所した研究開発新棟「イノベーション・パ

        「東芝未来科学館」が一般公開を終了へ 63年にわたり親しまれた科学教育施設
      • “ネコ量子ビット”をフランスの研究者らが発表 「シュレーディンガーの猫」から発想 一体どんなもの?

        このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 フランスの量子コンピューティング・スタートアップ「Alice & Bob」などに所属する研究者らが発表した論文「Quantum control of a cat qubit with bit-flip times exceeding ten seconds」は「シュレーディンガーの猫」にヒントを得た量子ビットが、従来にない長時間にわたってエラーを起こさずに機能することを明らかにした研究報告である。 量子コンピュータは、従来のコンピュータでは解決できない問題を解決できると期待されているが、計算中にエラーが発生しやすいという問題がある。エラーを自動的に修正

          “ネコ量子ビット”をフランスの研究者らが発表 「シュレーディンガーの猫」から発想 一体どんなもの?
        • 「技術の価値は常に栄枯盛衰」 変化し続ける時代に求められるエンジニアになるためには

          プログラミングは学ぶ必要がなくなるのか? 島澤甲氏:生成AIは本当に変化をもたらしているかなと思います。今日聞かれているみなさんの中にも、「ぶっちゃけ俺らって、どうなっちゃうのかな?」と、「けっこうコーディングをやってきたけどなぁ」と思っている人が多いんじゃないかなと思います。技育祭も、生成AIの未来についてのセッションがすごく多いので、これはやはりすごく注目されているテーマだし、大事なテーマだと思うんですよね。 なので、このセッションではあえてまったく違う切り口で、この生成AIというテーマを切ってみようかなと思います。ちょっとみなさんに1つ。これは先月かな? まぁまぁネットでもバズったというか話題になりましたけれども、NVIDIAのジェンスン・フアンさんが「もうプログラミングは不可欠ではない」というようなことを提唱しましたね。知っている人もけっこう多いかな? これについて、みんなどう思い

            「技術の価値は常に栄枯盛衰」 変化し続ける時代に求められるエンジニアになるためには
          • 『三体』の劉慈欣の長編デビュー作『超新星紀元』を読む - 関内関外日記

            超新星紀元 作者:劉 慈欣 早川書房 Amazon 1999年末、超新星爆発によって発生した放射線バーストが地球に降り注ぎ、人類に壊滅的な被害をもたらす。一年後に十三歳以上の大人すべてが死にいたることが判明したのだ。"超新星紀元"の地球は子どもたちに託された……! 『三体』劉慈欣の長篇デビュー作 『三体』は名作である。とはいえ、その著者の20年前の長編デビュー作が名作とは限らない。 『超新星紀元』。あらすじは上に引用したとおりだ。大人が死に絶えて、子供だけの世界が到来する。ただ、急に大人は死に絶えない。猶予が少しだけあった。なので、子供たちだけで生きていけるような準備をする。どういう準備をするのか。そのあたりはなかなか劉慈欣っぽいような気もする。あ、話の舞台は完全に中国で。 でもって、子供だけの世界が来る。今の時代に書かれていたら、AIが大活躍するだろうなと思ったら、ちゃんとそういう量子コ

              『三体』の劉慈欣の長編デビュー作『超新星紀元』を読む - 関内関外日記
            • 「超高純度のシリコン」の量子ビットを搭載した強力な量子コンピュータ 英国と豪州の研究者らが発表

              このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 英マンチェスター大学とオーストラリアのメルボルン大学の研究者らが発表した論文「Highly 28Si enriched silicon by localised focused ion beam implantation」は、天然シリコンに含まれる不純物を取り除いた超高純度のシリコンを用い、信頼性の高い量子ビットを製造する方法を提案した研究報告である。 量子コンピュータは、量子ビットと呼ばれる特殊な量子状態を利用して計算を行う。量子ビットは、古典ビットとは異なり、0と1の状態を同時に取ることができるため、膨大な量の情報を並列に処理できる可能性がある。し

                「超高純度のシリコン」の量子ビットを搭載した強力な量子コンピュータ 英国と豪州の研究者らが発表
              • スーパーコンピュータ「富岳」と量子コンピュータ「叡」の連携利用を実証

                理化学研究所(理研)計算科学研究センター(R-CCS)量子HPC連携プラットフォーム部門 佐藤 三久 部門長、量子HPCソフトウェア環境開発ユニット 辻美 和子 ユニットリーダー、量子コンピュータ研究センター(RQC)中村 泰信 センター長、萬 伸一 副センター長、大阪大学 量子情報・量子生命研究センター(QIQB)北川 勝浩 センター長、藤井 啓祐 副センター長、根来 誠 副センター長らの共同研究グループは、最先端研究プラットフォーム連携(TRIP)[1]構想の一環として進める計算可能領域の拡張に向け、スーパーコンピュータ「富岳」[2]と量子コンピュータ「叡(えい)」[3]の連携利用を実証し、原理の異なるコンピュータ間の連携利用によって計算可能領域が拡大する可能性を示しました。 本成果を生かし、量子コンピュータとスーパーコンピュータの連携による最先端の計算環境の実現に寄与し、今後の科学技

                  スーパーコンピュータ「富岳」と量子コンピュータ「叡」の連携利用を実証
                • 「撤回」に揺れる物理学界、 信頼回復への道筋は?

                  A wave of retractions is shaking physics 「撤回」に揺れる物理学界、 信頼回復への道筋は? 量子コンピューティングや室温超伝導のブレークスルーとされる論文の撤回が相次ぎ、物理学界が揺れている。研究者とネイチャー誌などの雑誌編集者が集まり、再現性確保のための対応策を議論した。 by Sophia Chen2024.05.29 3 17 大々的に報じられた最近のスキャンダルで、物理学界は自らの評判、そして将来を気に病んでいる。権威ある雑誌に掲載された量子コンピューティングと超伝導の分野の研究で、大きなブレークスルーがあったとする主張が、この5年間にいくつか崩れ去った。大成功のはずのそれらの研究結果を、他の研究者が再現できなかったためだ。 先日、50人ほどの物理学者、科学雑誌の編集者、米国立科学財団(NSF)の代表者がピッツバーグ大学に集まって今後の最善の

                    「撤回」に揺れる物理学界、 信頼回復への道筋は?
                  • 【研究成果】貴重なリソースである量子コヒーレンスが 無制限に増幅可能であることを理論的に解明 - 総合情報ニュース - 総合情報ニュース

                    2024年5月13日 東京大学 発表のポイント 量子情報処理において貴重な資源とされている量子コヒーレンスが、触媒として働く補助系を用いると実はいくらでも増幅可能であることを理論的に証明した。 先行研究では、量子コヒーレンスに対する変換には厳しい制限が課されていることを示唆するものが多かった。しかし今回の研究により、量子コヒーレンスの変換に対しては制限がほとんど課されていないことが示された。 今回の結果は、近年急速に発展する量子計算・量子通信デバイスなどの設計に応用されることが期待される。 量子コヒーレンスの無制限増幅のイメージ 概要 東京大学大学院総合文化研究科の白石直人准教授と髙木隆司准教授による研究グループは、量子情報処理において貴重な資源とされている量子コヒーレンス(注1) に対し、量子リソース理論(注2)の枠組を用いて解析を行い、量子コヒーレンスは無制限の増幅が可能であることを理

                    • 量子コンピューター超入門 - Qiita

                      量子コンピューターの初歩の初歩を説明します。数学的準備を最低限に留めるため、簡略化した表記法を採用して、基本原理の直観的理解を目指します。前提とするのは 2 進数のビット演算と中学数学で、量子力学の知識は前提としません。blueqat ライブラリによる検証法も説明します。 シリーズの記事です。 量子コンピューター超入門 ← この記事 量子コンピューター超入門2 一般的な表記法 はじめに 量子コンピューターは革新の可能性を秘めた分野です。しかしながら、量子力学に基づくため、その動作原理を理解するのは容易なことではありません。 量子力学では複素数による確率振幅の重ね合わせ、量子もつれ、測定による量子状態の収束など、古典物理学とは全く異なる概念が導入されます。これらを厳密に記述するには、大学レベルの数学が必要になります。こうした複雑さは量子コンピューターを理解する上で障壁となります。 本記事では

                        量子コンピューター超入門 - Qiita
                      • 量子コンピュータのコンパイラ高速化技術を開発|2024年|NICT-情報通信研究機構

                        国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT(エヌアイシーティー)、理事長: 徳田 英幸)は、国立研究開発法人理化学研究所(理事長: 五神 真)、東京理科大学(学長: 石川 正俊)、東京大学(総長: 藤井 輝夫)と共同で、量子コンピュータに最適な量子ゲートシーケンスを確率的探索手法を用いて迅速に探索する技術の開発に初めて成功しました。 量子コンピュータにタスクを実行させるには、コンパイラを使い、プログラミング言語で書かれた命令を量子ビットへのゲート操作で構成されるシーケンスに変換する必要があります。私たちは、最適制御理論(GRAPEアルゴリズム)を網羅的探索に応用して、理論的に最適なものを特定する手法を開発しましたが、量子ビット数が増えるに従い、可能な組合せの数が爆発的に増えるため、網羅的探索が不可能となります。例えば、6量子ビットで構成される任意の量子状態を生成するタスクに対して、もし、網

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                        • ノーベル賞の「トポロジカル物質」社会実装へ。生成AI時代、数十兆円規模の半導体市場狙う東大ベンチャー

                          TopoLogic(トポロジック)の佐藤太紀代表。東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻修了後、6年間マッキンゼー・アンド・カンパニーにて製造業を中心にマネジメントコンサルティングに従事。その後、産業ドローンのスタートアップを経てトポロジックに参画した。 撮影:三ツ村崇志 数十兆円規模とも言われる半導体市場。そこに乗り込もうとしている、スタートアップがあります。 「マイクロンやSKハイニックス、サムスンが作る半導体メモリよりも、10倍エネルギー効率の良いものを作りたい。 日本が王道的に強いのはやはり素材・材料系の性能の高さで戦う領域だと思っています」 そう語るのは、東京大学発スタートアップ・TopoLogic(トポロジック)の代表を務める佐藤太紀さんです。 トポロジックは、2016年のノーベル物理学賞の受賞テーマにもなった「トポロジカル物質」と呼ばれる最先端素材の社会実装を目指すスター

                            ノーベル賞の「トポロジカル物質」社会実装へ。生成AI時代、数十兆円規模の半導体市場狙う東大ベンチャー
                          • スタニスワフ・レム『虚数』とテッド・チャン『あなたの人生の物語』に共通するもの

                            共通するテーマは、 「人間の科学」 だ。 「人間に関する科学」ではなく、「人間の科学」という言い方は、ちょっと奇異に聞こえるかもしれない。 なぜなら、科学とは人間が探求する知識体系であり、探求分野だから。「科学」の一語だけでこと足りる。わざわざ「人間の」と修飾語を付けているということは、人間じゃない存在、人間以上の存在が探求する領域を扱う科学だってあるかもしれない―――「人間の科学」は、そういう可能性を示唆している。 レム『虚数』に収録されている「GOLEM XIV」は、この可能性の先に存在する、非常に高い演算能力を持つAIだ。人間以上の知性を持つ存在が、「科学」を探求したらどうなるか? その結果を人間に対し、講義の形で伝えようとすると、何が語られるか―――を記した講義録が、「GOLEM XIV」になる。 人間が扱える処理能力や情報量は、人間のサイズに収まっている。コンピュータを使ってもい

                              スタニスワフ・レム『虚数』とテッド・チャン『あなたの人生の物語』に共通するもの
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