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「チャットGPT」で生成AIが一気にブレークしたように、家庭用ロボットも実用化の時期が近づいているかもしれない。そう考えられる理由を3つ、説明しよう。 by Melissa Heikkilä2024.04.23 2 10 この記事は米国版ニュースレターを一部再編集したものです。 ロボット工学が始まって以来、この分野の究極の目標は、家事をこなすロボットを作ることだった。しかし、長い間、それは夢でしかなかった。ロボット工学の研究者たちは、研究室でパルクールのような目を見張るようなことをロボットにさせることはできた。だが、そのためには通常、厳重に管理された環境で綿密な計画を立てる必要がある。そのため、子どもやペットのいる家庭や、間取りが千差万別で、あらゆるものが散らかっている家では、ロボットが確実に動作するのは難しい。 ロボット工学者の間で、「モラベックのパラドックス」と呼ばれる有名な観察事象が
理化学研究所、東京大学、金沢大学の研究グループは、日本人3256人分の全ゲノムシーケンスデータを解析し、日本人の遺伝的起源と特徴の一部を解明した。研究では、全国7地域(北海道、東北、関東、中部、関西、九州、沖縄)の医療機関で収集した3256人の全ゲノムシーケンスによって得たデータを使用した。 研究チームは、主成分分析を用いて、日本人集団の遺伝的構造を調べた結果、沖縄と本土という明確な二重構造を再現できたことを確認した。また、ASMIXTURE分析により、日本人の祖先が東北、関西、沖縄の三つの地域からの混合で最もよく説明できることが明らかになった。特に、縄文人の遺伝的影響が沖縄で最も高く、関西では漢民族との遺伝的親和性が高いことが判明した。 さらに、アルコール代謝に関連する遺伝子領域が沖縄で弱く表れる一方で、本土ではより強く表れることや、冠状動脈疾患や安定狭心症、アトピー性皮膚炎との遺伝的関
米国の経済制裁を受けて半導体チップの国産化を目指す中国は、日本企業である「味の素」が市場を独占する半導体部品への依存を減らすために新材料の開発を進めている。だが、長年続いてきた同社の牙城を崩すことは、容易ではないだろう。 by Zeyi Yang2024.04.19 31 4 この記事は米国版ニュースレターを一部再編集したものです。 うま味調味料とコンピューター・チップに関係があることをご存知だろうか? 現在、ほとんどのノートPCやデータセンターで使われているチップの内部には、「ABF」と呼ばれる小さな部品が使われている。ABFは、電気を通す配線の周囲の薄い絶縁材の層である。そして、世界で使用されているこの絶縁材の90%以上は、日本企業である「味の素」が生産している。1909年に粉末調味料「MSG(味の素)」を商品化したことで有名な企業である。 本誌のジェームス・オドネル記者が先日の記事で
人工知能(AI)に関する理解は、まだ初期段階だ。AI搭載製品を販売する企業の宣伝に惑わされることなく、有用性は限られていることを肝に銘じる必要がある。 by Melissa Heikkilä2024.04.02 8 6 この記事は米国版ニュースレターを一部再編集したものです。 私は日々の仕事で、実験的に人工知能(AI)アシスタントを利用してきた。AIが有用であるための最大の障害は、しばしば物事をあからさまに間違えることだ。あるケースで私は、身体障害についてインタビューしながらAI文字起こしプラットフォームを使ったが、AIがまとめた要約は、その時の会話を自閉症に関するものと決めつけていた。これはAIの「幻覚(ハルシネーション)」問題の一例である。大規模言語モデルが単純に物事をでっち上げるのだ。 最近、もっとはるかに大きな規模でAIが不具合を起こす事例がいくつかあった。最新の不具合事例では、グ
プラグイン・ハイブリッド車は、電気自動車(EV)への移行用として販売されることが多い。しかし、欧州の新しいデータは、プラグイン・ハイブリッド車の排出量を過小評価していることを示している。 by Casey Crownhart2024.04.01 3 8 プラグイン・ハイブリッド車は、ガソリン車の利便性とバッテリー電気自動車の気候上の利点を兼ね備えた、理想的な自動車とされている。しかし、新たなデータによると、公式に発表されている数値の中には、プラグイン・ハイブリッド車の排出量を著しく過小評価しているものがあることが分かった。 欧州委員会(EC)の新たな実走行データによると、プラグイン・ハイブリッド車の二酸化炭素排出量は、公式発表の推定値のおよそ3.5倍になっている。この違いはドライバーの習慣に大きく関係している。人々はプラグイン・ハイブリッド車を充電したり、電気モードで運転したりすることが予
Large language models can do jaw-dropping things. But nobody knows exactly why. コンピューター科学者は 大規模言語モデルをなぜ 「科学」するのか? 大規模言語モデルが破竹の勢いで成功を収めているにもかかわらず、こうしたモデルがうまく機能する仕組みや理由は、いまだによくわかっていない。コンピューター科学者たちは、その謎を解明することで次世代のAI技術の開発とリスク管理に生かしたい考えだ。 by Will Douglas Heaven2024.03.29 1 18 2年前、オープンAI(OpenAI)の研究者ユーリ・ブルダとハリー・エドワーズは、言語モデルに基礎的な算数をさせるには何が必要かを調べていた。2人は、2つの数を足し合わせる例題をいくつ見せれば、モデルは与えられた2つの数を足し合わせられるようになるのかを
オープンAI(OpenAI)は、同社が2月中旬に公開した新たな動画生成モデル「Sora(ソラ)」を用いて映像クリエイターが制作した映像をいくつか公開した。3人のクリエイターに、映像制作の狙いや制作手法について聞いた。 by Will Douglas Heaven2024.03.29 1 5 先月登場したオープンAI(OpenAI)の動画生成モデル「Sora(ソラ)」。まだ一般公開はされていないが、オープンAIは一部の映像クリエイターに試用を認めている。オープンAIが今週公開したその結果は、驚くべきものだった。これらの短い映像作品は、ほんの6週間前にオープンAIが、新たな生成モデルの情報を小出しにするのに用いた選りすぐりのサンプル映像と比べても、大きな飛躍を示すものだ。 ここでは、3人の映像作家がどのような方法でこれらの映像を作ったのか紹介しよう。 『エアヘッド』(制作:シャイ・キッズ) シ
途上国の大半を占める「組積造」の建物の耐震化を、塗料を塗るだけで実現する。そんな画期的な塗料を共同開発したのが、山本憲二郎だ。東京大学で研究に取り組む傍ら、スタートアップで商用化を進めている。 by Keiichi Motohashi2024.03.27 5 9 2023年2月6日に発生したトルコ・シリア大地震では、5万人を超す人々が亡くなった。1年が経った2024年2月現在もまだ復興の途上であり、多くの人々が困難な暮らしを強いられている。被害が拡大した大きな理由の1つは、煉瓦や石などを単純に積み上げて建てる組積造構造の建物の崩壊にある。 トルコ・シリア大地震に限らず、世界各地で発生する地震による死者の多くは、住宅などの建物の崩壊によるものだ。日本では2024年1月1日の能登半島地震の記憶が生々しいが、世界的に見ると木造住宅の延焼や津波による死者よりも、組積造の崩壊による死者の方がはるかに
AIの開発・運用に関する包括的な規則を定めた欧州「AI法」が3月13日に欧州議会で可決され、5月に施行される予定だ。このAI法によって、これまでと何が変わって、何が変わらないのか、ポイントをまとめてお伝えする。 by Melissa Heikkilä2024.03.25 24 14 この記事は米国版ニュースレターを一部再編集したものです。 ついに正式に決定した。3年という歳月の末に、欧州連合(EU)の包括的な新「人工知能(AI)法」が3月13日、欧州議会で可決されたことで、最後の官僚的試練を乗り越えたのだ(AI法については、昨年 私が公開したこの記事で5つの重要ポイントを解説している。併せてお読みいただきたい)。 このニュースは、個人的にはひとつの時代の終わりのようにも感じる。2021年に、AI法の初期草案のスクープを入手した最初の記者が私だった。以来、それに続くロビー活動の混乱の行方を見
記者がいない、エンジニア中心のJX通信社を創業した米重克洋は、生成AIにより大量生産されるデマやフェイクニュースに対し、テクノロジーの力によって報道の「構造」を変えることで立ち向かおうとしている。 by Yasuhiro Hatabe2024.03.19 4 4 氾濫するデマやフェイクニュースが、民主主義の根幹である選挙に影響を及ぼしたり、災害時に必要な情報が届くのを妨げ救援を遅れさせたりする。人々の命や健康を危険にさらすこともある情報空間の汚染は、いまや世界的な大問題だ。 JX通信社の代表取締役である米重克洋は、SNSなどから得たデータを人工知能(AI)を使って解析し、災害や事件、事故などのリスク情報を迅速に検知して報道機関などへ配信するサービス「FASTALERT(ファストアラート)」の取り組みを評価され、2021年の「Innovators Under 35 Japan (35歳未満の
昨年11月、日本で承認された自己増殖型mRNA(saRNA)ワクチンが注目されている。従来のmRNAワクチンとどう違うのか。 by Cassandra Willyard2024.03.07 7 7 この記事は米国版ニュースレターを一部再編集したものです。 今回の話題は、mRNAワクチンだ。 「聞き飽きた」という不満の声が一斉に聞こえてきそうだが、ちょっと待ってほしい。mRNAワクチンについては、確かにこれまで散々耳にしてきたと思う。しかし、日本で少し前に、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する新しいワクチンが承認された。これが、かなり興奮するニュースなのだ。皆さんがよくご存知のあのmRNAワクチンと同じように、この新しいワクチンも新型コロナウイルスのスパイク・タンパク質を作る指示を体内に届ける。しかし、体内でmRNAをさらに多く作る方法も伝えるという点が斬新だ。要するに、指示を
テキスト-画像生成AIは物語性のある複数の画像を生成するのが苦手だ。複数の画像で、設定に一貫性を持たせるのが難しいからだ。だが最近、物語を一度入力すると、それに合った一連の画像を生成するサービスが登場した。 by Will Douglas Heaven2024.03.07 177 10 13年前、ジャーナリズムの授業の宿題で、私は高級キャットフードを食べる男に関する馬鹿げた短い物語を書いた。今朝、私は「ロア・マシーン(Lore Machine)」という生成(ジェネレーティブ)AIプラットフォームが、自分の書いたおかしな話に命を吹き込むのを座って眺めていた。 自作の物語をテキストボックスに入れると、次のようなメッセージが出た。「シーン、ロケーション、キャラクターと、雰囲気を特定しています。このプロセスには最長2分かかる場合があります」。ロア・マシーンは、テキストを分析し、キャラクター描写と言
ゼロエミッション車の主流はバッテリーを使う電気自動車(EV)であり、水素を使う燃料電池車は大きく後れを取っている。かつて同列に語られたこともあった両者になぜ差が付いてしまったのか。 by Casey Crownhart2024.03.05 3 13 地球温暖化ガスや環境汚染物質を全く排出しない自動車を想像してほしい。現在路上を走っている電気自動車(EV)とは異なり、充電に1時間以上かかることもなく、すぐに発車できる車だ。 あまりにも良いことずくめで本当だとは思えないが、これこそが水素燃料電池で動く車の現実だ。そして、ほとんど誰も欲しがらないのも、また現実だ。 誤解のないよう言っておくが、水素燃料電池車(FCV)は世界中で販売されている。しかしながら、燃料価格の高騰や車両販売数の低迷、水素ステーションの閉鎖など、水素車は行き詰まりを見せているようだ。 水素燃料電池は、水素と酸素の化学反応によ
2023年には販売額が減速することになったが、ヒートポンプは化石燃料を使用する暖房器具に差をつけつつある。 by Casey Crownhart2024.03.04 2 5 ヒートポンプは依然として注目のテクノロジーだが、世界最大級の市場の1つである米国での2023年の販売額は減少した。だが、空調システム全体でヒートポンプの占める割合は2年連続でガス暖房器具を上回っており、昨年同様に販売高が減少したガス暖房器具と比較しても市場全体でのシェアは増えている。 ヒートポンプは電気を使って空間を暖めたり冷やしたりするシステムで、温室効果ガスの排出量を削減するための主要なツールとなる可能性がある(世界の温室効果ガス排出量の約10%は、建物の暖房から発生している)。世界中の多くの住宅やその他の建物では、ガス暖房器具などのようなシステムで化石燃料を使用している。しかし、一般的にはヒートポンプの方が効率が
電気自動車の急増などでバッテリーに対するニーズが高まっている。リチウム硫黄バッテリーは、コストとエネルギー密度の両方で、リチウムイオンバッテリーを凌駕する可能性がある。 by Casey Crownhart2024.02.20 6 電気自動車(EV)の航続距離を延ばせる安価なバッテリーを製造する鍵は、安価で豊富に存在する材料である硫黄にあるかもしれない。 気候変動問題に対処するには、ますます増えるEVを駆動し、そして再生可能な電力を送電網に蓄えるために、大量のバッテリーが必要になる。現在は、リチウムイオンバッテリーがどちらの分野でも主流の選択肢となっている。 しかし、バッテリーの需要が高まるにつれ、必要な材料を採掘することがより困難になっている。そしてその解決策は、コバルトやニッケルといった、リチウムイオンバッテリーに必要な金属の中でも特に限定的で物議を醸しているものを避けた、代替の材料を
インターネットの黎明期、現在のような状況を誰も想像していなかったし、望んでもいなかった。ネット上の人々の言動を改善したいのであれば、プラットフォームの枠を超えて行動する必要がある。 by Katie Notopoulos2024.02.22 1 7 私たちは今、インターネットに関する非常に奇妙な瞬間にいる。皆、インターネットが破綻していることを認識している。それ自体はニュースではない。しかし、何か雰囲気が変わり、物事が変化しようとしているように感じている。ここ数年来初めて、私たちのネットでのコミュニケーションの方法に関して、本当に新しく、これまでとは異なることが起こっているかもしれない気がするのだ。 大手ソーシャル・プラットフォームがこの10年間、私たちに対して発揮してきた支配力は、弱まりつつある。問題は、私たちが次に何を望んでいるかだ。 インターネットには、救いようのないほど悪質で、有害
再生可能エネルギーやEVの普及に伴い、バーチャル発電所(VPP)が注目されている。従来の一方的な需要と供給の関係を変えるVPPとは何か? 解説する。 by June Kim2024.02.15 2 10 そびえ立つ煙突、無限に続く石炭列車、うるさく回転するタービン——。1世紀以上にわたり、発電所の一般的なイメージは、こうした特徴で語られてきた。しかし、私たちの未来に電力を供給する発電所は、根本的に違った見た目に変わるだろう。実際のところ、多くは物理的な形状をしていないかもしれない。バーチャル発電所(VPP)の時代へようこそ。 石炭やガスなどの従来のエネルギー・リソースから、太陽光や風力などの出力が変動する再生可能代替エネルギーへの移行は、数十年にわたるエネルギー・システムの運用方法が変化していることを意味している。 政府も民間企業も同様に、コストを抑え、送電網の過負荷を防ぐのに役立つ、バー
東京大学、富山大学、カリファルニア大学サンフランシスコ校、マウントサイナイ医科大学などの研究グループは、機械学習で脳MRI画像データから精神病発症リスクを判別するシステムを開発した。テスト用データセットを対象とした場合で85%、独立した確認データセットを対象とした場合でも70%以上の正答率が得られたという。 従来の機械学習を利用して精神病発症リスクを判別するシステムは、MRI画像を撮影する機種の違いに起因する画像の差と、思春期に発生する脳構造の大きな変化により、精度が不十分だった。研究グループが今回利用したのは、国際コンソーシアム(Enhancing Neuro Imaging Genetics through Meta-Analysis for Clinical High Risk:ENIGMA CHR)に集積されたMRI画像。内訳は精神病ハイリスク群が1165名分で、健常対照群が102
How Russia killed its tech industry ウクライナ侵攻で激震、 ロシアのテック業界は いかにして崩壊したか ロシアにはヤンデックスなど国際的な競争力を持つテック企業が存在していた。しかし、ウクライナ侵攻とそれに伴う国内の情報統制によって、政府は有力なテック企業を破壊。人材は国外に流出し、進出していた他国のテック企業もロシアから撤退している。 by Masha Borak2024.02.08 2 11 ウクライナ侵攻が始まってから7日後、ウラジミール・ベルギンは自身と家族の身の回りの品をまとめ、モスクワにある自身のアパートメントの賃貸借契約を解約し、子どもを幼稚園から退園させ、ロシア国外での新たな生活を始めた。それから間もなく、ベルギンはヤンデックス(Yandex)における自身の職、中小企業担当最高商務責任者(CCO)を辞した。ヤンデックスはロシアにおけるグー
幼児の頭部に装着したビデオカメラの映像を用いて訓練されたニューラル・ネットワークは、大規模言語モデルよりもはるかに少ないデータで、単語と対象物を一致させられるようになることがわかった。 by Cassandra Willyard2024.02.05 14 20 人間の赤ちゃんは、どんなに優れた大規模言語モデルよりもはるかに高い学習能力をもっている。オープンAI(OpenAI)の「チャットGPT(ChapGPT)」がまともな英語を書けるようになるには、数百万~1兆語の単語を用いた膨大なデータセットによる訓練が必要だった。それに比べて子どもがアクセスできるデータ量ははるかに少ないが、3歳までにはかなり高度なコミュニケーションが可能となる。 ニューヨーク大学の研究チームは、人工知能(AI)が赤ちゃんと同じような方法で学習できないかと考えた。はるかに少量のデータセット、つまり会話を学ぶ一人の子ども
第4世代原子炉の開発を進める米国のケイロス・パワー(Kairos Power)が、溶融塩冷却システムにおいて2つのマイルストーンを達成した。安全性の向上と建設コストの削減が期待される。 by Casey Crownhart2024.02.05 3 5 合計1カ月以上にわたって、米国ニューメキシコ州アルバカーキにあるケイロス・パワー(Kairos Power)で12トンの溶融塩がパイプ内を流れた。 ケイロス・パワーは、冷却材に溶融塩を使用する新しいタイプの原子炉を開発しており、その最初の大規模な試験冷却システムが1月初旬に1000時間の連続運転を達成したばかりだ。同社にとって、ここ数週間で達成した2つ目の大きなマイルストーンとなった。1つ目のマイルストーンは、2023年12月、米国原子力規制委員会(NRC)が同社にとって初となる試験炉の建設許可を与えたことだ。 原子力発電所は、気候変動に対処
新たな研究は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)後遺症(ロング・コビッド)の原因が、免疫系の特定の部分の異常にある可能性を示している。 by Cassandra Willyard2024.02.02 1 4 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は多くの人にとって、感染者数の急増と減少が繰り返される中で、生活に大混乱を巻き起こしては去っていく病気となっている。だが数千万人の感染者にとって新型コロナウイルス感染症とは、数カ月または数年続くこともある慢性疾患、場合によっては消耗性疾患の始まりになっている。 新型コロナウイルス感染症の後遺症(ロング・コビッド)を発症する者と、感染して回復する者との違いはどこにあるのか。新たに発表された論文によると、後遺症の発症者は多くの場合、見過ごされがちな免疫系のある部分が異常に活性化するという。 スイスの研究者チームは、新型コロナウイルス感染
ディープマインドが先日、複雑な幾何学問題を解けるAIを発表し、話題になった。AI企業はなぜ、数学に注目しているのか。 by Melissa Heikkilä2024.01.29 3 10 この記事は米国版ニュースレターを一部再編集したものです。 AI業界は最近、グーグル・ディープマインド(DeepMind)が学術誌のネイチャー(Nature)に発表した新しい論文で盛り上がった。複雑な幾何学問題を解くことができるAIシステムの開発に成功した、という論文だ。「アルファジオメトリー(AlphaGeometry)」と命名されたこのシステムは、言語モデルと記号エンジンと呼ばれるタイプのAIを組み合わせたもので、記号と論理ルールを使用して推論を実行する。こちらで、アルファジオメトリーについて詳しく知ることができる。 AIの世界が数学で盛り上がるのは、この数か月で2回目だ。昨年11月、サム・アルトマンが
The future of open source is still very much in flux テック業界の現在を形作った オープンソースの過去と未来 フリーでオープンなソフトウェアはテック業界を変え、その発展に大きく貢献してきた。社会や企業への「反抗」というルーツを持つオープンソース・ソフトウェアもまた、変化の渦中にある。 by Rebecca Ackermann2024.01.17 3 16 1980年にゼロックスがマサチューセッツ工科大学(MIT)人工知能研究所に1台の新型レーザープリンターを寄付した時、この機械が革命の火付け役になることなど、同社にとっては知る由もなかった。プリンターは紙詰まりを起こした。2002年に出版されたサム・ウイリアムズ著『Free as in Freedom(自由としてのフリー)』によると、当時27歳のMITのプログラマーだったリチャード・M・ス
今日のWebは商取引などの目的に最適化され、少数の企業によって所有されている。個人に力を与え、自己表現を促すかつてのWebの魅力を取り戻す「HTMLエネルギー(HTMLエナジー)」というムーブメントが密かに盛り上がりつつある。 by Tiffany Ng2024.01.08 363 9 Webサイトは、常に洗練されたデジタル体験だったわけではない。 かつて、ネットサーフィンをするには、自分の意に反して音楽が再生されるタブを開いたり、色つきの背景にタイムズ・ニュー・ローマン書体の文字がびっしり詰まったページを読んだりする必要があった。スクエアスペース(Squarespace、Webページ作成サービス)やソーシャルメディアが登場する以前の2000年代、Webサイトは個性を表現するものであり、コードの知識とインターネット上に存在したいという願望を持ったユーザーが、HTMLを使ってゼロから作るもの
東京工業大学と産業技術総合研究所の共同研究チームは、生成AI(ジェネレーティブAI)の基盤となる、日本語能力に優れた大規模言語モデル「スワロー(Swallow)」を公開した。同モデルは現在公開されている日本語に対応した大規模言語モデルとしては最大規模であり、オープンで商用利用が可能であるため、ビジネスに安心して用いることができるという。 研究チームは今回、英語の言語理解や対話で高い能力を持つメタのオープンな大規模言語モデル「ラマ(Llama)2」の日本語能力を拡張することでSwallowを構築した。Llama 2は事前学習データの約90%を英語が占めており、日本語の割合は全体の約0.10%に留まるため、英語で高い性能を示すにも関わらず、日本語の読み書きは苦手という弱点がある。 そこで同チームは、非営利団体のコモンクロール(Common Crawl)が配布しているアーカイブから日本語のテキス
中国のフード・デリバリー・アプリは、レビューの書き込み内容の妥当性を判断する「陪審員」機能を導入している。不当な理由で低評価を付けられた事業者の訴えを、ネットの「正義感」を利用して解決する試みはうまく機能しているようだ。 by Zeyi Yang2023.12.19 4 3 中国の裁判に陪審員制度はない。だが、もし配達してもらったラーメンが熱すぎると思うなら、注文したアプリで他のユーザーが陪審員としてすぐに有罪判決を下してくれるだろう。 実際、陪審員制度は多くの中国のアプリが持つ機能になっている。特に、国内で最も人気のあるフード・デリバリー・サービス「メイトゥアン(Meituan:美団)」では、何百万人ものユーザーが、顧客と飲食店の間に生じた苦情をボランティアで仲裁している。悪いレビューを付けられた飲食店側が理不尽な評価だと感じた場合に、不服を申し立てることができるのだ。ボランティアのユー
グーグル・ディープマインドは、大規模言語モデル(LLM)で純粋数学の有名な未解決問題を解くことに成功したと発表した。LLMが、訓練データに含まれない未知の解を導き出すことに成功した例になる。 by Will Douglas Heaven2023.12.19 16 17 グーグル・ディープマインド(Google DeepMind)が大規模言語モデルを使用し、純粋数学の有名な未解決問題を解いた。研究チームは、2023年12月14日付でネイチャー誌に掲載された論文の中で、「長年の科学的パズルの解を発見するために大規模言語モデルが使用されたのは初めてのことであり、以前は存在しなかった検証可能な価値ある新情報を生み出すことができました」と述べている。「得られた解は訓練データには含まれておらず、これまで知られてもいませんでした」と、論文の共著者であるグーグル・ディープマインドの研究担当副社長、プッシュ
Eric Schmidt has a 6-point plan for fighting election misinformation エリック・シュミット 「生成AI時代の大統領選」 に備える6つの提案 2024年は米国をはじめ、多くの国で重要な選挙が予定されており、ソーシャルメディアに選挙をめぐる誤情報が氾濫する可能性が高い。グーグルの元CEOであるエリック・シュミットは、プラットフォーム事業者と規制当局に向けて6つの対策を提案する。 by Eric Schmidt2023.12.18 4 10 来年は政治的に激動の年になるだろう。米国、台湾、インド、インドネシアなどの国で大統領選が予定され、40億人以上が投票に向かうため、2024年は史上最大の選挙の年となる。 そして選挙活動では、人工知能(AI)が斬新な方法で活用されている。米国では今年初め、フロリダ州知事ロン・デサンティスの共和
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