今回見つかった首里城の写真の拡大画像。向かって右側の大龍柱は根元しか写っていない(〇で囲った部分)。左側の柱は正面を向いている。撮影は1896年とみられる=共同 1896(明治29)年に撮影されたとみられる沖縄県・那覇の首里城の写真が見つかった。正殿前に一対で立つ石彫りの大龍柱のうち、向かって右側の柱は根元部分だけ残し、写っていない。 明治政府が琉球処分のため派遣した軍隊が撤収する時に大龍柱の1本を切断した、という古老らの証言が伝わっているが、明確な文献資料はなかった。今回発見された写真は、この伝聞を裏付ける証拠になりそうだ。 古写真を見つけたのは、東京都国分寺市の美術商、秋山弘道さん(72)。父親から引き継いだ大量の写真の中にあった。秋山さんは「首里城は正面から撮った写真が多いが、これは少し斜めから撮影しており、大龍柱が1本しかないので不思議だと思った」と話す。