島田康行・渡辺哲司 1.批評に応える 2021年1月に刊行した本書『あらためて、ライティングの高大接続』に対し、方々からおおむね好意的な感想がeメール等で寄せられてくるなか、丁寧な批評を個人のブログで呈示してくれた人がいる。自らを作文教育に興味のある国語科教員と称する「あすこま」氏だ。 https://askoma.info/2021/02/14/8264 そのコメントは、われわれ著者にとっては少々痛いが、思考を刺激される建設的なものでもあった。そこで、本書の著者8人のなかでも重い責任を負う2人がきちんと応答しようという話になり、このように版元のwebマガジンの誌面をお借りする次第である。あすこま氏の他にも、興味のある方は遠慮なく参入していただきたい。 2.「あすこま」氏による注意喚起 あすこま氏がわれわれに注意を呼びかけるのは、要するに、ライティング教育をもっぱら大学におけるアカデミック