ロシア下院は14日、国民の性転換を原則的に禁止する法案を可決した。法案は今後、上院での審議やプーチン大統領による署名を経て近く施行される見通し。露独立系メディアは、法案はLGBTなど性的少数者への理解を促す国際的風潮に逆行する上、差別を助長しかねないとして、国内で反発が出ていると伝えた。 タス通信によると、法案を提出したボロジン下院議長はその狙いについて「欧米側が露国民に押し付けようとする(性的少数者の尊重という)疑似的な価値観から、家族に関するロシアの伝統的価値観を守るためだ」と説明している。法案は性転換を目的とした医療行為を禁止し、すでに性別を変更した人が養子縁組をすることも禁じている。 ロシアは性的少数者への抑圧を強めてきた。2013年、未成年者を同性愛に誘引する情報の拡散を禁じた法律を施行。昨年12月には同様の規制を成人にも拡大し、罰則も強化した。LGBTに関連する映画や書籍を販売