判決文に関する考察記事の最終回です(前編、中編)。 争点5:楽譜の購入により演奏権は消尽するか? 著作権の「消尽」とは、著作権の対価が一度発生すると権利は役目を終えて消滅し、それ以降の権利行使は「二重取り」として認められないという考え方です。譲渡権については、最初の適法な譲渡(販売)により消尽することが著作権法に定められています。これは、一般常識として当たり前で、自分が買った正規版の本やCDを中古屋に売ったり、オークションに出品しても著作権侵害を問われることはありません。 ただ、当然ながら、これは譲渡権に関する話であって、他の権利(支分権)が全部消尽するわけではありません。ちゃんと金払ってマンガ本を買ったのだから、それをネットにアップしようが、Tシャツにして売ろうが自分の勝手であるという理屈が通らないというのも「一般常識」かと思います。 音楽教室側は、「レッスンで使用する楽譜等及びマイナス