20年以上の研究と開発を経て、日産がいよいよ可変圧縮比(VCR)を2018年に実用化する。燃費と走りの両立に加えて、超高効率な発電専用エンジンの実現を見据えた。VCRを使って、2025年頃にエンジンの熱効率を50%にする高い目標を掲げる。独自の複リンクで「超ロングストローク」を実現し、「スーパーリーンバーン(超希薄燃焼)」に挑む。 既存エンジンのピストンを支持するコンロッドに代わって、UリンクとLリンク、Cリンクと呼ぶ3本のリンクでエンジンの爆発力をクランク軸の回転力に変換する。圧縮比を変えるときはVCRアクチュエーター(モーター)で制御軸を回し、3本のリンクを介してピストンの位置を上下に動かす。常用域では圧縮比を高めて熱効率を上げる。出力を高めるにつれて圧縮比を徐々に下げ、異常燃焼しにくくする。なお圧縮比とは、圧縮始めの気筒の容積と圧縮後の容積の比。大きいほど熱効率が高まる。日産の資料を