名著である「定本 映画術 ヒッチコック・トリュフォー」で語られた、ある印象的な言葉を思い出してしまった。自分の求めていたイメージと寸分たがわぬイメージを生み出すことこそ、映画作家の夢だ。そこに、どんな妥協があってもならない。イメージの想像に厳密さを欠いているために、いい加減な映画ができてしまう。映像(イメージ)は映るものでなく、つくるものだ。水島努監督は『ガールズ&パンツァー』最終話の絵コンテを描き上げたとき、どんなイメージをしていたのだろうか。待たされた11話で高まった期待をものの見事に越えてくれた。去年の雪辱を晴らすべく立ちはだかる黒森峰にチーム一丸となってぶつかり、みんな主役なんだと言わんばかりの見せ場につぐ見せ場。可愛い作戦名とは裏腹に、徹底的な考証と妥協なき映像作りを重ねたと思わせる戦車戦アニメーション。ただ「凄いものを観ている」としか表現できない心境の中、持続する臨場感、息もつ
数カ月前、ニコ生岡田斗司夫ゼミの放送終了直後。 ドワンゴスタッフが機材撤収をしている中、岡田先生が突然キラキラした目で、「S田さん、ナディアでは使われなかったエンディングがあるんだよ。どんなシナリオか聞きたい?」と話しかけてきたことがあった。 (なぜ番組中にその話をしないんだ?)と思いながらも、「是非、その企画で今度番組をやりましょう!」と軽い返答をして、そそくさと帰社。そのまま、その番組企画はたち切れになってしまったことがあった。 ちなみに「ナディア」とは 、発明好きの少年ジャンと謎の少女ナディアが万能潜水艦ノーチラス号に乗り込み冒険を繰り広げる、1990年にNHK総合で放送されたガイナックス製作のアニメ作品「ふしぎの海のナディア」のことである。以後、ナディアという単語を聞くと「お蔵入りになったナディアのエンディングって!?」という疑問で頭がよぎる日々が続いた…。 幾月が経ち、場所は岡田
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