《この記事は約 5 分で読めます(1分で600字計算)》 アメリカの出版業界で、世論が沸騰する前や、司法が動く前、さらには、刊行すら行われないうちに「プロアクティブ(能動的)」な対応を行う事例が出ているそうです。大原ケイさんにレポートいただきました。 告発によって表舞台から消えていった編集者や著者 キャンセル・カルチャーに関する昨年8月のコラムで、#MeToo運動やBLM運動について、これからはアメリカの出版社も明確な立場を表明し、それに則った早急な決断を迫られていくだろう、という趣旨のことを書いた。 今アメリカでは、実際に刊行されれば賛否両論となることがわかっている本をどう扱うか、著者にどう対応するのか、司法や世論が動く前に判断することが求められている。いわゆる「プロアクティブ(pro-active)」な企業経営だが、その例を紹介しよう。 ひとつは、これまでにもセクハラやパワハラの告発に