10月に始まった幼児教育・保育無償化の影響で、認可保育所や認定こども園などの入所希望者が増えるなか、大都市近くにある地方都市などでは保育人材の流出が懸念されている。各自治体では保育士の待遇にインセンティブを与える動きも活発化しており、人材確保は激しさを増す。兵庫と広島に挟まれた岡山県の岡山市は、待機児童の数が市町村で全国で4番目に多く、不足する保育士の待遇改善に向けた動きが進んでいるが、関係者は「保育士がどんどん流出してしまう」と不安が募る。 【グラフで見る】認可保育所などの利用申込者と待機児童の推移 ■続く定員割れ 「定員は105人ですが、92人しか受け入れられていない。定員割れはもう1年続いています」 12月4日午後、岡山市役所3階の市長室。とみやまこども園(岡山市中区)の山本直子副園長は大森雅夫市長に対し、保育士が足りないことの影響を指摘した。同園では来年出産予定の保育士がいるといい