■正しい理解こそが平和への道 安倍政権による集団的自衛権の行使容認以後、「軍国主義の復活だ」という批判の大合唱が起こりました。戦前の日本を誤った道へ導いた元凶だという認識からでしょう。本書は、「軍国主義」とは何なのか、本当に危険思想なのかということを、気鋭の憲政史研究者が丹念に考察した一冊です。 一般的に、「軍国主義=ファシズム」と理解されていますが、そもそも軍国主義とは、1648年からのウェストファリア体制による宗教原理主義から国家主義への移行に付随して形成されてきたものであり、血で血を洗う殺し合いをもたらした宗教原理主義に比べて穏健思想であること、一方、一国一党であるファシズムは軍国主義とは正反対のものであることを、わかりやすく解説。戦後の進歩的文化人たちが、一国一党の中国やソ連こそファシズムであることを隠すため、軍国主義とファシズムを混同させ、戦前の日本を悪者扱いしてきたと指摘します