脳科学者の中野信子さんの著書『脳の闇』は、ハラスメント、承認欲求、プレッシャー、正義、ジェンダーなど、様々な切り口から「脳の暗部」を浮かび上がらせる一冊だ。 実はあとがきには「この本は、バカには読めない本になってしまった」という一文がある。では「バカ」とは何を指すのだろうか。 中野信子さんは今回のインタビューで「バカとは何か」というこちらの問いに対し、まずこう語った。 「脳は快楽に流されて、わかりやすい意見に飛びつきやすい。そして、いいことをすると快楽を得る。それと同時に「悪いこと」をした人を糾弾すると気持ちよくなるんです」 確かにSNSには正義を名乗って人を叩く人の姿を見ない日はない。そういう人を叩く行為が快楽になってしまっているということなのだ。では、快楽に流されないようにするにはどうしたらいいのか。 私たちの脳は無自覚に快楽に乗っ取られてしまう ――「バカとは何か」というこちらの問い