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コーヒー沼
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ハーバード大学のDani Rodrik(経済学)のブログで面白い論文が紹介されていた。プリンストン大学のAngus Deatonが書いた”Income, aging, health and wellbeing around the world : Evidence from the Gallup World Poll”(2007)という論文。ここで読める。世界132カ国の人々を調査したGallup世論調査のデータをもとに、世界各国で所得と幸福度の関係はどうなっているのかについて考察した論文。上図の横軸は一人当たり国民所得を示し、縦軸は「あなたの人生はどれくらい幸福ですか?」という質問をたずね0~10の数値で自己評定させて得た回答の平均値を示す。それを各年齢層ごとに分けて示したものが、上図。幸福度の平均値は一人当たり国民所得と強い関連を持っており、一人当たり国民所得が2倍増えると幸福度が約1
Ricoh GX100 / Daikanyama / Tokyo クラブの政治学。クラブに行くのが大好きだ。可愛い女の子のなまめかしい四肢にときめきを感じるからクラブが好きというよりも(もちろんそれが無いと言ったら嘘になるけど)、自分の音楽の趣味(Jazz, Funk, Soul, Hiphop, House)がクラブ寄りなので、よく通っている。ちなみに、クラブのイベント情報を集めたポータルサイトとしてはclubberiaが出色だけれども、今日は、クラブという場ではたらく力学について考えてみたい。 クラブに人が引き寄せられる理由として、音楽・酒・踊り・濃縮感・コミュニティ・エロスの6要素があげられると思う。好きな音楽に耳を傾けながら、美味しいお酒にほろっと酔って、浮遊感に酔いしれながらステップを踏めば、数十メートルの小さな範囲にみんなの身体から発散される熱気が立ちこめていて、なじみの知人に
20,430 views | 12 users 0 user 1 users | http://plaisir.genxx.com/wp-trackback.php?p=183 Amazon Related Search 11 Responses to “疑似科学批判者は「何を批判しているか」自覚せよ” yt Says: 2月 1st, 2008 at 9:39:30 そうですね。科学者からの批判は科学の取り扱いについてですね。科学者でいて占い師にも友達もいた立場なのですが、科学とは何か?ということを伝え切れていない事も疑似科学が大きくなってる事の原因だろうと思ってますね。 科学者はもともと議論の中で生きてるし、そのやり取りはそれ以外の人たちから見れば、ドライで無機質なものを感じやすいと思う。そして、攻撃的な人も多い。その延長線上で非科学者と対峙すると、不信感を作りやすいんですね。また、
Ricoh GX100 / Ikebukuro / Tokyo. 『目からウロコの幸福学』のつづき。この先何回かに分けて、トピックを絞って書こうかな、と。この本は、幸福の科学についての本だ。幸福を心理学の枠内で科学するには、どうすれば良いか?まず、ダニエル・ネトルは、「幸福」という日常的な概念を科学の操作対象として扱うために、3つに分化させる。 ★レベル1の幸福:喜びや楽しさ。一過性で、なにか好ましい状態が(しかも予期せずに)得られたときにその気持ちが起きる。たとえば、大好きな人に告白してOKをもらったその時の気持ち。 ★レベル2の幸福:「自分は幸せな生活を送っている」という言う場合の幸福。快楽と苦痛のバランスシートを吟味してみたとき、長い目で見て、自分はより好ましい状態にあると感じるときの、生活の満足感。ベンサム・ミルの「最大多数の最大幸福」レベル。たとえば、「あなたの人生は幸せですか?
Ricoh GX100 / Shibuya / Tokyo. ※様々なところからリンクを張られて騒ぎが大きくなっているみたいなので注記しておきますが、【科学であると誤解されていることが被害を発生させている状況】について、疑似科学を肯定する気は全くありません。本記事は、「水からの伝言」を肯定するものではありません。「血液型性格論を信じている奴って馬鹿だよね」的な(素朴な)暴力について懸念を表明した文章であり、疑似科学批判全般を批判する意図は一切ありません。 科学系Blogの中でとても秀逸だなぁと感じる幻影随想さんが、「科学というモノサシ」なる記事を書かれていた。要は、疑似科学批判は、科学のモノサシ(実証=観察と実験から導かれたデータ)に則って「科学」の領域で行われているけれど、疑似科学批判を批判する人たちは、「自分のモノサシ」を手に「疑似科学批判批判」を行っている。だから噛み合わないよね。そ
RIcoh GR Digital / Onomichi / Hiroshima. MITメディアラボの教授、石井裕さんが書いた「テレビの未来」という記事を読んでふと感じたことを。この記事は、要は、テレビは「時間軸に沿ってシーケンシャルにしかアクセスできない、かつての磁気テープ装置と同じような、本質的な効率のボトルネックを内包している」ものであり、「情報の受動的消費」しか許してくれない。それに対し、インターネットを使った「情報のオン・デマンド収集」では、目的の情報に素早く辿り着ける「ランダムアクセス」が可能になる。だから、未来は「テレビがない家庭」があたりまえの光景になるだろう、と語っている。 自分もテレビ観てないなぁ。F1と野球とサッカーの中継をのぞけば、かれこれ3年近くスイッチを押していない。今ふとテレビの電源を入れようとしたら、うんともすんともいわないでやんの。いつのまにやら壊れていた
Ricoh GR Digital / Naoshima / Kagawa. 『目からウロコの幸福学』。これは買いです。俗っぽいタイトルとは裏腹に、素晴らしい本。圧倒された。「なにか心理学系でおすすめの本ない?」と聞かれれば、まず間違いなくこの本を薦めるだろう。某進化系Blogで2007年1位と推薦されていたから買ってみたけど、本当に目からウロコがぼろぼろ零れた。実証心理学の醍醐味がぎっしりで、自信をもってオススメできる。そこら辺の新書とは格が違う。なぜそれほど売れていないのか理解できない。編集者と訳者が可哀想。1.学術的に妥当、2.そのくせ読みやすい(訳も的確)、3.内容の密度が濃い、4.説教臭いところが一切ない。この本を読んでつまらなければ、俺が弁償します!ほんとに。学生、社会人、研究者、誰が読んでも感じるところがあるはず。(言語学や心理学に携わっていない)一般の人にとっては、あのスティ
Nikon FM3A / Ho Chi Minh / Vietnam. 上の写真はベトナムを旅しているときに撮ったものだけれども、心底素敵な光景だった。記念写真を撮るために、思い切り着飾って、精一杯の撮影場所を選択して、微かに緊張しながら笑みをたたえ、二人が共に刻む現在の痕跡を粒子として定着させようとする。写真に密度が充満する瞬間だ。さて。「愛」とは何だろうか。「愛する」とはいかなる行為だろうか。今日は1956年に出版されたエーリッヒ・フロム(Erich Fromm)の名著、“The Art of Loving”(直訳すれば『愛の技術』)を少しだけ書評してみたい。「愛」という概念を通して、人生そのもの、いかに生きるべきかを論じた本。人間ならば、誰であれ、かならず一度は目を通しておくべき書物だと感じた。 いちばんベタに考えれば、恋とは求めること、愛とは与えること、といえるだろう。そうだ。その
Nikon FM3A / Agfa Vista100 / Ho Chi Minh / Vietnam. Amazonで高評価な『自分の仕事をつくる』を友人に借りて読んだので、さらっと書評。文字数が少ないので、1時間ちょいあれば読める本。ひとことでいえば、マルクス主義的な人間疎外されないものづくりのあり方を、現代の職人たちに見出したフィールドワーク本。あるいは、お金のためではなく自分が妥協しないものづくりに命を燃やす人にインタヴューするという点で、実存主義的な労働のあり方を具体的に探ってみた本。以前書いた岡本太郎の思想をリアルに実践している人たちのお話、と言っても良い。どちらかといえばデザイン系中心。 巷にあふれているくだらない自己啓発本(たとえば『7つの習慣』)やLifehackの記事を読むよりは、1000倍マシな真の「自己啓発本」。仕事とは何だろうか?と考えている人は、ぜひ読んでみてくだ
Ricoh GX100 / Shibuya / Tokyo. 以前、マイル厨のすすめという記事を書いた。ポイントは、現金で払ったら「損をしている」という感覚を持つというところで、ANA-VISAカードからEdyをチャージして決済すれば2.5%マイルバックという恐るべき還元率が実現されていた。ちまちま面倒くさいと馬鹿にするかもしれないけれども、自分はすでに、飛行機に搭乗したマイルを差し引いて純粋に決済分だけで、欧州往復航空券+国内往復航空券分のマイルを貯めましたよ。だけれども、金利のグレーゾーンがブラックゾーンに変わったり、サブプライム問題に端を発する金融危機の勃興等で、驚愕的に制度が改悪されてしまった。そこで、かつて扇動的な記事を書いた責任上、何が変わったのか、これからどうすれば良いのかについて少しだけ。最後に感動の名シーン付き。 1.ANA-VISAカードのマイペイすリボで2%還元、とい
Ricoh GX100 / perfume. クラブの政治学というエントリーを書いたので、せっかくだから、クラブ初心者向けのベタなHow-to記事を書いてみる。もし興味あるけど行ったことがない人がいるならば、あの独特の空間を(一度は)味わってみてもらいたいと思うから、しばし入門記事にお付き合いくださいな。 「クラブ 初心者」でググるといろんな記事が出てくるけれども、それらの記事は、どれもが(前回の記事で言う)<包摂>の論理(<仲間意識>の論理)にもとづいて書かれている。つまり、ある意味、生ぬるい。本記事は、徹底したリアリズムの観点から書いていきます(もちろん、ググって出てくる記事には親切に書かれたものが多いので、そちらもぜひ)。ただし、自分の趣味上の問題で、B系のHiphopとかレゲエ中心のクラブについてはよくわからない(から扱えない)ので、その点はご了承を。 Q:クラブって何するとこなの
Ricoh GX100 / Nagoya. 以前、ひとつの夢を追い求めない生き方という記事を書いたけれども、今日は別の角度から人生を考えてみたい。実存主義的な生き方、「命を燃やす」生き方について。この文章は、岡本太郎の著作『自分の中に毒を持て』の書評にもなっています。ある意味、死(自殺)をも肯定する思想。 むかしむかし、おそらくあれは小学生の頃だったと思うけれども、TBS系列で放送されていた野島伸司原作の『未成年』というドラマが大好きだった。全共闘世代の夢の残滓が滲んだ、今思えば小恥ずかしくなるような青春ドラマで、反町隆史、いしだ壱成、香取慎吾、桜井幸子、(売れない女優時代の)浜崎あゆみなどが出演していた。最終回で、警察に追われているいしだ壱成が、高校の屋上に登り、こんなことを絶叫しながら主張する場面がある。「人生の、人生の価値を測るメジャーなんて、どこにも、どこにもない!」。ではそもそも
今まで紹介してきたアルバムの中である意味史上最強な1枚をご紹介。耳が焼き尽くされるほどおすすめ。「変態変拍子プログレ大魔神」との異名を取る、エルメート・パスコアルのFesta Dos Deuses(邦題『神々の祭り』)という1枚。1998年作で、ジャンルはブラジリアン変態プログレジャズフュージョンポップ。サウンドの大サーカスと言われようとも、奇蹟の劇場型天才だと呼ばれようとも、ザッパを凌ぐ奇人だと名指されようとも、そんなのはどうでもよくて、まぁとにかくこの1枚というかこの人の音を聴かずに「No music, no life!」とか語るヤツは頭をマルコメXにして出直してこい逝ってしまえってほどにインパクトの強いアーティスト。詳細はあとで書くとして、まずはこの美しい音楽のYoutubeを再生しながらどうぞ(このYoutubeのパスコアル音楽はかなりオーソドックス、でも映像は掻き立てるものがある
Ricoh GX100 / Nagoya. 「それはあんたが悪いよ、常識的に考えて」と彼女は言った。「なんでわかってくれないの?あなたの将来を思って言ってるんだから。わたしは絶対に間違ってない!」と彼女の飛沫が飛んだ。ふぅ。恋愛ではしばしばバトルが繰り広げられる。自分の意図に従って相手を方向付けようとする。だれもが自分にとって居心地の良い(comfortableな)状態を作りたい。だから、自分にとって居心地の良い態度・振る舞いを相手がしてくれるように、仕向けようとする。電話の回数といった些細な問題から、将来に関する意志決定という根本的な問題まで、大小さまざまな闘争が実行される。 「自分のためじゃない、相手をのためを思って言っている」とあなたは主張するかもしれない。けれども、なぜ「相手のため」にもの申すのかといえば、あなたが相手の行動に対して違和感を感じるからだ。あなたが不快に感じる何かしら
Ricoh GX100 / Daikanyama / Tokyo. DJをはじめるにはどうすれば良いのか。技術的なことには深く触れずに、装備的な問題を中心に、2008年1月時点で最新の情報をまとめておこう。DJはなにをやっているのか。やるために、まず何が必要なのか。最低限の道具を揃えるためにいくらくらいかかりそうなのか。猫でもわかるDJ初心者ガイド。Youtubeのプレイ動画もいくつか貼り付けつつ。 ■そもそもDJってなにやっとんの? 基本的には、自分が選曲した曲を次から次へと途切れないように連続で再生して、オーディエンスの心の中に快い感情を喚起させる。それだけ。詳細は次のとおり。下図参照。 1.デッキA(ターンテーブルA)にレコードもしくはCDもしくは曲ファイルを置き、再生してスピーカーから流す。2.デッキB(ターンテーブルB)に次にかけたいレコード・CD・曲ファイルを準備しておく。3.
Ricoh GX100 / Omotesando / Tokyo. ある英語で書かれた文章が、1.パソコンで読めるデジタルデータ、2.紙媒体に印刷されたもの、という二つの形で存在しているとする。どちらで読むか?かつてはなるべく紙媒体を選び、わからない単語は電子辞書を用いて調べていた。でも、今は、どちらでも読めるならば、可能なかぎりパソコンを使って読むようにしている。たとえばEconomist誌だってもはやウェブサイトでしか読んでいない。なぜか?それはパソコンで読んだ方が単語を調べるために必要な時間が圧倒的に少ないから。単語検索の効率性が高いから。 今回は、パソコンで英語の文章を処理する際に最適だと思われる辞書ツールについての話。ソフトのインストールがいらない(どのパソコンでもすぐに使える)webserviceとして一番優秀なのは、(単語にマウスカーソルを合わせれば訳がポップアップする)以前
Ricoh GX100 / Ikebukuro / Tokyo. Economist誌の“The World in 2008″という世界の2008年の動向を予測した特集の出来が素晴らしいので、年末の締め&新年の挨拶代わりに、数回に分けて紹介してみようかと(本当は岡本太郎の実存主義的人生論を批評したかったんですがw)。今回はLEADERS(一面)の7記事すべてをダイジェスト。全訳は疲労コンパイルしてしまうので、要旨を中心にメモ抜き書き。英語の体力がある方はぜひ原文をお正月に読んでみてくださいな。太字強調部分は、訳者が大事だなぁと感じたところ。 主に政治経済の話です。上から順に、アメリカの2008年を占った記事、アメリカとイランの緊張関係を論じた記事、宗教のグローバリゼーションについて論じた記事、北京オリンピックが顕在化させる問題を論じた記事、2008年の世界経済を概観した記事、Faceboo
Ricoh GX100 / Shibuya / Tokyo. 「ひとつの夢を追いかけている人は美しい!」「なにかを極めた人は素敵!」「黙々と自分の仕事に打ち込んでいる職人は格好いい!」という奇妙な宗教が社会にはびこっている。多くの人は、「ひとつの夢」幻想に苦しめられている。「将来何になりたいですか?」と訊かれ、当たり障りのない答えをはにかみながら返すものの、「ひとつに絞りきれねーよ知るかボケ!」と、内心では憂鬱な思いを抱えていたりする。自分だってもちろんそうだ。10日くらい前に爆発的に話題になっていた美しいエントリー”「好きを貫く」よりも、もっと気分よく生きる方法”は、そのことを見事に指摘していた(超オススメなのでぜひ読んでみてください)。だが、その文章では、ある大事な点が見落とされていた。 まず、簡潔にその文章の内容をまとめておこう。人は瞬間ごとに多様な興味を持ち、色々なことをやりたくな
あらためて紹介するまでもないかもしれませんが、あまりに素晴らしいのであえて記事を書いてみる。Gilles Peterson(ジャイルス・ピーターソン)というイギリス人のDJがBBCでやっている番組、”Worldwide”のpodcastが鼻血がとまらないほど良すぎる件。ジャズの世界に触れてみたいならば、あるいはジャズが好きならば、これを聴かない手はない。本当に。Gillesはクラブジャズ界のスターDJですが、なにがすごいって、「生音」に対する感性が抜群なところ。 ジャズを聴く人って、だいたい2つのパターンに分かれてしまう。一方にはBill EvansとかMiles DavisとかJohn Coltraneみたいな「コテコテな昔のジャズ好き」がいる。それはたとえば高年齢者層であったり、あるいはジャズに「癒し」や「リラクゼーション」を求める若い層であったりする。居酒屋やBARでかかっているジャ
Ricoh GX100 / Shibuya / Tokyo. むかし深夜にテレビを観ていたら、島田紳助がひどい顔をしてこんなことを語っていた。 「たとえば女の子とはじめて飲みに行くとするやん。夜もふけて、ええ雰囲気になってきて、さぁラブホテルにでも連れていって一発美味しいことをしたいとするやん。どうやって口説けばええか、そのコツをしっとる?知りたいやろ。それはな、絶対に”ホテル行かへん?”とか女の子に同意を求めたらあかん。絶対にあかん。女の子は”自分が軽い行為に同意した”とか思いたくないねん。”自分は軽い女だ”と思うのが嫌やねん。だから、”ラブホテルに行くのは仕方がないんだ、自分のせいじゃない”と思わせられるような仕掛けをせなあかん。そのためには、ゲームやね。簡単なゲームをして、”もし俺が勝ったらラブホ行こ”ってなルールを作っておく。もし女の子が負けてラブホへ行くことになったとしても、その
Dual-process theories of thinking. (Slovic et al., 2004) 1)Risk as Analysis and Risk as Feelings: Some Thoughts about Affect, Reason, Risk, and Rationality(P Slovic, ML Finucane, E Peters, DG MacGregor – Risk Analysis, 2004) 前回の記事、「論理的思考は異常な状態」では、論理的・分析的な思考を「異常」という言葉で形容してしまい、いささか乱暴だったので、心理学の論文に厳密に即して補足を加えておきます(まず前回の記事を読んでいただければ嬉しいです)。思考の二重処理仮説はひとつの仮説ですが、かなり信憑性の高い仮説だと個人的に考えています。認知科学に興味のある方、前回の記事が面白
Ricoh GX100 / Omotesando / Tokyo. 「人間は科学より宗教が好きだ」とは糸井重里の名言。でもこれって、あまりも当たり前すぎることですよね。当然すぎて、ことさら主張する必要もないくらいに。ところが、これが名言扱いされるということは、「理性的に考え論理的に思考するのが人間の当然の姿である」と信じている人がいるということ。今日は、「論理的思考は人間にとって不自然で異常な状態なんだよ」と再度主張したい。手短に。 車の運転免許を更新したことがありますか。そこでは、たとえば「飲酒などの不注意から事故を起こして相手をひき殺してしまい、自責の念に絡め取られ、人生がめちゃくちゃになった男の話」を説教くさく語るビデオテープが、たいてい流されることになっている。その後、「飲酒運転で事故を起こす人は、日本全国で、15分に1人いるのです」みたいなデータが付加的に与えられる。「人生がめち
Ricoh GX100 / Akasaka / Tokyo. あらかじめ言い訳しておきますが、ここで取り上げた本は、どれもまだ自分で読んでいません。だから書評も綴れません。でも、「これは読んどけや」というメタ情報を、リアル/ネットを問わず見聞した経緯があるものばかりを取り上げています。要は自分のためのリストなんですが、せっかく作ったので、ついでにBlogに載せてみますた。誰かにとって何かのきっかけになればと。 ↓まず、Economic Lovers Live「2007年経済書ベスト10」経由で、3冊をピックアップ。
Ricoh GX100 / Shibuya / Tokyo. 1週間前くらいに決定した話だけれども、それほど注目をあびていないように思われるので、あえて記事をおこしてみる。「総務省、青少年の携帯・PHS利用でフィルタリング機能を原則義務化」というニュース。ブラックリスト方式(腐ってるサイトへのアクセス禁止)はまぁいいとして、ホワイトリスト(認可されたサイト以外アクセス禁止)が適用されたら酷すぎるだろ。多様な情報に触れる中で、善悪やリスクを判断できるようになるスキルを獲得することも、青少年期の重要な課題だと個人的には思う。たとえ時間がかかるとしても、まどろっこしいとしても、そのスキルの獲得を支援できるような教育体制を構築することを放棄すべきではない。「悪」的な情報に、まったく触れないのと、触れる中で耐性ができるのは、根本的に違うこと。情報潔癖性を量産して、どうしようというのか。とくに、携帯は
東京都写真美術館にて行われている世界報道写真展2007へ行ってきた。年1回、世界の現状に自分の物語(思索)を投影するよい機会。相変わらず混みすぎ。満員電車かっつーの。5日で終わるからかな。で、フィールドワーカーとして、写真を観るよりも、どの写真が一番ギャラリーを惹きつけているか、いすに腰掛けながら、つぶさに観察してみた。 この写真の強度が一番強かった。この写真の前では、誰もがわれを忘れて、ぼうぜんと立ち止まっていた。ギャル男も、オサレっ子も、グレイヘアーな初老の男女も。Nina Bermanのこの写真。イラク戦争を浮き彫りにしたこの写真。 イラクで爆弾テロに巻き込まれたアメリカ海軍の男性が、生死をさまよったのち、アメリカに帰還した。彼には、イラクへ向かう前からの婚約者がいた。彼女は、変わり果てた彼に、献身的な看病をつづけた。そして二人は結婚することになった。 この写真をまえにして、自分も、
石川県、加賀、山代温泉にある、べにや無可有(むかゆう)という旅館へ行ってきた。原研哉さんのおなじみの本、『デザインのデザイン』にて綴られていた文章が引っ掛かっていたから、確かめてこよう、と。 クールかつコミカルな宿のご主人によると、かつては客単価の安い大衆旅館だったという。その後、どの温泉街も経験したような構造的不況を経て、この旅館のご主人はある決断を行った。高付加価値を追求して転身を図る、と。この旅館の高付加価値は「デザインコンセプトコンシャス」ということだった。建築家・竹山聖さんに旅館の全面的なリフォームを依頼した。そして、肝心のコンセプトは、「無可有」に設定された。 <「無可有の郷」とは荘子の言葉で、何もないこと、無為であることをいう。しかしそこには価値観の転倒があり、一見無駄で役に立たないようなものほど実は豊かであるというものの見方を含んでいる。器は空っぽであるからこそものを蔵する
一部の人間にそのコストパフォーマンスの高さで名を轟かせている焼肉屋、和(かず)。文京区茗荷谷(丸ノ内線、池袋から2駅)から徒歩1分程度(東京都文京区小石川5-5-9 藤ビル)。叙々苑みたいにブランドと雰囲気でお金をぼったくる有名店とはわけがちがう。高い金を払えば美味しいものはいくらでも食べられるんだから、自分は店を選ぶ際、味と価格と量のバランス、CPを最重視しますね。いくら美味しくても、法外に高い金を払っていると気分がよろしくない。このお店、ネタフルでも扱われているのを見て、ああ意外とメジャーなんだなぁと驚いてしまったのだけれども、ここの焼肉屋の真骨頂は「レバ刺」にある。レバーの刺身が絶品。人生で食べてきた中で、no.1を誇っている、現時点で。 それにしてもレバ刺という食品自体が美味いですね。濃厚さと、適度な生臭さと、とろけるような感覚と、包み込むようなまろやかさと。みじん切りにした生姜を
Ricoh GX100 / Shibuya / Tokyo. 「他人をもっと理解したい」「他人にもっと理解されたい」「語ればわかりあえる」「彼女や彼氏のすべてを知りたい」なーんて甘ったれたことを考えている人は、ぜひぜひ読んでくださいな。理解は過少でも過剰でも不幸を招くこと。「完全な理解」と「適切な理解」は異なること。理解という観点から、こころ・身体・セックス・暴力・差別をまとめて考えられること。これらについてのお話です。個人的に、ものすごく根本的で切実すぎるトピック。今回は、自分の奥深くに芽吹いていた漠然とした感覚に明快な言葉を授けてくれた、『他者といる技法』という本をベースに書きます。これは長いあいだ自分に重く深くのし掛かっている書物なので、そのうち解体/再構築してふたたび論じます。 (AM 7:10に末尾追記) ■「理解」とはなにか わたしは、あなたが何を考えているのかを丸ごと理解する
Ricoh GX100 / Shinjyuku / Tokyo. 前回が長かったので、今回はなるべく短く書きます。たとえばビジネスでユーザーを集めてコミュニティを作りたいとする。どうすれば良いか?一番簡単なのは、彼(女)らに共通の評価基準を与えてやること。評価基準がシンプルであればあるほど、多くの人々を巻き込むことができる。たとえば、コトノハというSNSが、あらゆるものごとを「○か×か」というシンプルな評価基準で判定させることによって、共同性を構築しているように。共通の評価基準がコミュニティを生む。 一番良いのは、評価基準を数値化し、対象を序列化できるシステムを作ってしまうこと。たとえば、はてなブックマークはクリップ数でウェブサイトを序列化する。オリコンは売り上げの数で音楽を序列化する。niftyはキーワードの検索数でトピックを序列化する。いずれも、絶大な権力を誇っていますね。 なぜ数値で
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