「紀伊國屋じんぶん大賞」は、おかげさまで第7回目を迎え、今回も読者の皆さまから数多くの投票をいただきました。まことにありがとうございます。投票には弊社内の選考委員、スタッフ有志も参加いたしました。投票結果を厳正に集計し、ここに「2016年の人文書ベスト30」を発表いたします。 大賞には、加藤陽子さんの『戦争まで―歴史を決めた交渉と日本の失敗』(朝日出版社)が選ばれました。加藤さんの受賞コメント、および読者推薦コメントの一部をここにご紹介いたします。 【加藤陽子さん受賞コメント】 『戦争まで』が、読者のみなさんの投票によって、じんぶん大賞に選ばれたと聞き、本当に嬉しく思いました。いっぽう、これまでの受賞作を読みますと、人間はここまで考えてきた、だがここから先はわからないといった境界部分を、豊かに次の世代に伝える著作、あえて分類すれば、哲学、現代思想、社会学の領域の本が選ばれてきたとの印象があ