永らく二次創作とは縁のない生活を送っていた。 それを特に嫌っていたとかそういう訳ではなく、シンプルに興味が湧かないというか、「咀嚼の方法」は創作ではなく感想やレビューを書いて行っていた。「ここが面白かった。なぜなら~」「ここがつまらなかった。なぜなら~」等々、テキストという形で脳内から理解を吐き出すことで、該当作品をより深く味わうことができる。そういう生活を20年ほど続けている。 二次創作というと、それはキャラクターや関係性に思い入れて発露される事象が多い印象にあり、あまりキャラクターにフォーカスして作品を摂取しない自分にとっては縁がないものだと、ぼんやりそう思っていた。とはいえ一度だけ、『仮面ライダーファイズ』の二次創作小説を書いたことがある。作中のキャラクターはほとんど登場せず、世界観と設定を借りたような内容。これは確か、ふとアイデア(のようなもの)が頭に降りてきて、勢いに任せて数時間