草彅剛は、大ベテランといっていいキャリアと年齢なのに、なぜ彼はこんなにも少年のような瑞々しさとポテンシャルを感じさせるのだろうか。それは、彼の演技にお決まりのパターンや、固定のスタイルがないからかもしれない。2024年5月17日(金)に公開の主演映画『碁盤斬り』でも、草彅は新境地を開拓している。作品ごとに新しい表現を見せてくれる草彅剛の、仕事と人生に向き合う秘訣を聞いた。インタビュー後編。 #前編 自分で自分を褒める 取材部屋に現れた草彅は、少しおどけたような声色で「お願いしますー」と挨拶し、空気を一気に和らげつつテンションを少し上げた。 さすが、第一線で37年間走り続けてきた大スターである。こうして取材を受ける草彅は少年のような気配を残しているが、今年、2024年7月に50の大台に乗る。 「疲れますよね(笑)。『碁盤斬り』の最後の山のシーンなんて、1時間ぐらいかけて登って、カメラ回してる