2015年に、小学館のマンガ誌「週刊少年サンデー」誌上で、就任したばかりの市原武法編集長が、生え抜きの新人作家育成を優先する異例の宣言をして話題になった。「編集長が全責任を負う」の宣言通り、同誌では新人の連載が次々スタート。しかし、同誌の発行部数が苦戦するだけでなく、マンガ誌全体の部数も減る“冬の時代”に勝ち目はあるのか。市原編集長に聞いた。 ◇驚異の新人育成力が黄金時代を支えた ――2017年2月時点での「サンデー」を見ると、連載の半分以上は市原さんが編集長になってから始まりました。すべて新人というわけではなく、藤田和日郎や西森博之ら1990年代の「サンデー」を代表するベテランも入っています。 藤田、西森先生には「こういう雑誌にしたいので、あなたが必要なんです」と、僕が真剣にお願いしました。 僕は雑誌の「雑」という字が好きで。つまりバランスの問題です。すごい新人さんの連載がたくさん出てき