太平洋戦争の敗戦直後、太平洋中西部に浮かぶサンゴの島・オーシャン島で日本兵が行った住民虐殺について、元日本兵が書き残していた手記を本紙が入手した。これまで、虐殺事件の具体的経緯は不明な部分もあったが、上官の命令を受け自分が銃を撃つまでの一部始終を苦悩とともにつづっている。専門家は「太平洋地域で起きた紛れもない事実。ただ、この分野の研究者は少なく、一般的にはほとんど知られていない。大変貴重な資料だ」と語る。(山本哲正)
東京電力福島第一原発の汚染水量が一月にはすでに、地上タンクの容量を超え、貯蔵計画が破綻していたことが分かった。危機的状況にもかかわらず、東電はタンクには余裕があると発表。その裏で、水漏れ事故が起きた地下貯水池に汚染水を投入していた。この時点で危機を公表し、真剣にタンク増設に取り組んでいれば、四月五日に発覚した汚染水漏れ事故は防げていた可能性が高い。 東電の計画は、セシウム以外の放射性物質も除去できる新たな除染装置が昨年九月に稼働することを大前提とし、新装置でさらに浄化された水を池に入れる予定だった。しかし、新装置の安全面の問題により、昨年九月と十二月の二度にわたり稼働を延期した。 計画は新装置が予定通り動かない場合の備えをせず、汚染水量がタンク容量をぎりぎり超えない程度の甘い内容だった。慌ててタンクを増設したが、年明けには水量がタンク容量を超えてしまうことが確実になった。 このため東電は一
茨城県が制定し、来月、誕生五十年を迎える「茨城県民の歌」で、原子力をたたえる歌詞を問題視する声が出ている。国内初の原子炉を郷土の誇りとする歌詞は、東京電力福島第一原発事故によって状況が一変。郷土愛を育むための歌とあって、原発に反対する県民は「歌詞を変えた方がいい」と訴える。 (永山陽平) 茨城県民の歌は、県が歌詞と曲を公募して一九六三年三月十六日に制定された。一番から三番まであり、原子力に関する歌詞は三番で出てくる。当時、次世代のエネルギーと期待された原子力を「世紀をひらく原子の火」と礼賛。「このあたらしい光」で「あすの文化をきずくのだ」と高らかに歌う。 同県東海村の日本原子力研究所(現・日本原子力研究開発機構)に設置された原子炉が、核分裂を連続させる臨界に国内で初めて成功したのは、歌を制定する六年前の五七年。郷土が誇る研究施設の偉業に、県内は祝賀ムードに包まれたという。三番の歌詞は、そう
原子力委員会の小委員会が二十七日に示した核燃料サイクルのコスト再試算の結果は、原発に依存し、使用済み核燃料は再処理して再利用する現行の施策は割高だと、あらためて印象づけた。 前回の試算では、核燃料を地中に埋めて処分する直接処分のシナリオだけに、再処理事業中止に伴う費用が加算されている点などが委員会で問題視。そのため、事業中止費用の一部は除外した上で、三百年にわたる放射性廃棄物の管理も考慮した費用を算出した。 シナリオは(1)全ての使用済み核燃料を再処理(2)全てを直接処分(3)両者の併用-の三つ。これに総発電量に占める原発の比率を、脱原発を意味する0%、現状よりやや原発依存度が低い20%、現状以上に依存度が高い35%の三つの場合を組み合わせた。
韓国の通信社、聯合ニュースによると、ある研究者のアンケートで、回答者の半数がわが子の名前を漢字で書けなかったり、間違えたという。自分の名字でも崔、鄭、柳といった画数の多い字は書けない人がかなりいた。 ソウルで勤務していたころ、信じられない経験をした。最難関といわれる国立ソウル大学、その国語国文学科で一年生に漢字の読みのテストを実施していた。問題を見たら「捜査」「舞台」「哲学」といった、日本なら中学生でも読める言葉でも正答率が低かった。同科の教授は「わが国の史書や儒教の古典はどれも漢文だが、学生は皆、原文を読めない。すべてハングルに書き直された古典を、深い意味もわからずに読んでいるだけです」と深く嘆いていた。
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