江戸時代、武家官位の服装には色形に関する様々な決まりがありました。そういった装束に関する情報は、当時の有識者がまとめた資料から今も知ることができます。 装束の種類がまとめられた資料は数多く制作されたましたが、今回紹介するのは、江戸時代の文化13年(1816年)にまとめられた「服色図解」です。 「服色図解」は、当時の冠位以下の服装を図解でまとめた、前後編からなる資料で、本間百里(ほんまひゃくり)という人物によって制作されました。百里は一関藩藩士で、松岡辰方(ときかた)から有職故実を学びました。「服色図解」は百里が携わった代表的な資料のひとつです。 「服色図解」には、着物、袴、帽子や刀などの決まりを、シンプルな図解を入れながら官位ごとに紹介しています。文章から情報を読み解くのは難しですが、図解を見ながらであればある程度、色や文様の決まりを知ることができます。