21年のショパンコンクールでは、イタリアの新興メーカーであるファツィオリのピアノを弾いたブルース・リウが優勝した NIFC GRZEDZINSKI <世界の名だたるピアノメーカーの主戦場に日本のヤマハとカワイも挑む。2人の創業者のDNAを引き継ぐピアノが、世界のコンクールと家庭でその音色を響かせるまで> 日本人にとって、昔から身近な楽器であるピアノ。そのピアノが近年、世界で進化を続けている。中でも大きな位置を占めるのが日本の二大メーカーだ。 ピアノの歴史をひもとくと、ヨハン・ゼバスティアン・バッハが生きた17~18世紀には現在のようなピアノは存在せず、オルガンやチェンバロしかなかった。 本格的にピアノで作曲をする音楽家、例えばフランツ・シューベルトなどが登場するのは19世紀になってからだ。 19世紀当時、ウィーン周辺にはピアノ工房が林立していて、さながらカオス状態だった。そんな中からオース