東京の日比谷公園で行なわれた「年越し派遣村」が、いろいろな波紋を呼んでいる。テレビ朝日の「報道ステーション」では、古舘伊知郎キャスターが派遣村に同情して、「政府が炊き出しをやれ」と憤ってみせた。しかし、炊き出しで彼らの雇用が生まれるのか。厚労省は講堂を開放し、千代田区は「緊急措置」として、生活保護を申請した約240人の労働者のほぼ全員に、ひとり約10万円の生活保護を支給したが、250万人の完全失業者全員が申請してきたら同じことをするのか。 派遣労働者のような「非正規労働者」は日本の労働人口の1/3を超え、世界的にみても異常な状態だ。このような状況について「小泉内閣の構造改革のせいで派遣が増えた」という人がいるが、非正規労働者の比率は1994年ごろから継続して増えており、小泉内閣とは無関係だ。その最大の原因は長期不況である。 不況になると労働力が余るので、普通は解雇やレイオフが起こるが、日本