「例えば、陸自で最精鋭の第1空挺団(千葉県船橋市)が昨年、千葉県での豪雨被害を受けて、倒木を伐採するなどの支援活動をして話題になりました。一般社会から見れば『社会貢献活動に取り組んでいて偉い』というだけでしょうが、その間、彼らの訓練活動は中止されます。 いくら精鋭とはいっても、彼らは災害支援のプロフェッショナルではなく、その点では体力のある素人とさほど変わりません。もちろん災害支援も命令ですから、嫌な顔は見せないでしょうが、『最精鋭の部隊に配属になったのに、木を切らされるのか』と違和感を持った隊員も少なくないと聞きます。実は優秀な隊員ほど、自分の存在意義に疑問を抱き、除隊の道を選ぶ者も多いのが現状です」 「好感度」を手放せなくなった こうした問題があることは、筆者も別件の取材を通して知っていた。以前執筆した「自衛隊員のメンタルもやられた豚コレラ『5万頭殺処分』の壮絶現場」では、自衛隊が豚コ