重大事件のニュースを見ると、なぜ、そんな愚かなことをしたのかと思うことがあります。事件を起こした当人も、もしかしたら逮捕された時にそう思ったかもしれません。 「あの時、思いとどまることができたのに」 事件を起こす前に何度も葛藤があったと思いますが、最終的に犯罪を犯す決断をするのは、何かそうしなければならない気持ちが、その時にはあったはずです。 集団犯罪は実行までのハードルが低くなるのか 遠藤周作さんの小説「海と毒薬」では、第2次大戦中に日本軍の要請で医師が米兵の捕虜を人体実験します。 実験に関わった医師と看護婦は数名いたのですが、人体実験の話を聞いた時、誰も断ることはありませんでした。一人くらいは断っても良さそうなのですが、話を聞いた全員が人体実験に参加しています。まるで、いつもしている手術と変わらないような感じで。 集団の中にいると、それが非日常的なことだと気付かなくさせるのか、それとも