むかーし昔、もう30年ほど前の話。 私は横浜のとある中華料理屋でアルバイトをしていた。3〜4年ほど働いただろうか。 その店はファミレスチックな佇まいだったけれど、実は古くからタンメンを売りにしていた老舗のチェーン店。 そのためファミレスっぽいにも関わらず「昔からのファン」というお客さんが一人でふらっと訪れるのもそれほど珍しくないお店だった。 とある日。 ご夫婦で来店されたお客さんがタンメンと餃子を注文した。他にもいろいろオーダーされたかもしれないが、それは全く覚えてない。 そもそもこの話に必要なのはタンメンと餃子だけで、チャーハンを頼んでいようが青椒肉絲を頼んでいようが大勢に影響はないから問題ない。 で、その話。 その日の私はホール担当で、布巾とお盆を持って客席を徘徊していた。 すると突然、そのお客さんから呼び止められたんだ。 「タンメン、味変わったね」 ちょっと残念そうに、ご主人らしき人