箱根駅伝のエース区間、「花の2区」で鳴らした青学大出身のランナーが、トライアスロンで2020年東京五輪を本気で目指している。大谷遼太郎(セガサミー)、26歳。競技転向から1年で、15日の日本選手権(東京・お台場)に初出場した。得意のラン(10キロ)に進む前にバイク(40キロ)で周回遅れとなり、棄権を強いられたが、その前向きな姿勢は未完の大器だと感じさせた。 「僕にとっては、一つ一つが経験。1回の成功体験をつかめれば、大きく変わってくると思うんです」 ほろ苦い、不完全燃焼の日本選手権の取材エリアで、大谷はまっすぐ前を見て、きっぱり言った。 「努力と熱意で壁越えられる」はずが… 異色の経歴は幼少期にさかのぼる。 物心がついたころから水泳を始め、小学5年で全国トップクラスしか出場できない、JOCジュニアオリンピックカップに出た。なのに、水泳にこだわりはなく、中学では「好きなことがやりたい」とバス