アニメのエンドクレジットを目にするまで、彼女がキャラクターボイスを務めていたと気づかない人も多いのではないだろうか。 新しいキャラクターを演じるたび、声優・悠木碧は聞いたことのない声やお芝居で我々を魅了してやまない。その技巧は業界トップクラスである。 そしてそれは、ソロアーティストとしての悠木碧も同じ。「声優が歌う意味」を体現するかのように、楽曲ごとに別人のようなパフォーマンスを披露するその姿は、変幻自在と呼ぶにふさわしい。 そんな悠木のルーツは、幼い頃から面白い音を見つけてはそれを真似していた“ひとり遊び”にあるという。音に対する豊かな感受性と探究心こそが悠木の個性なのだろう。 さらにはそれを「楽しいからやっているだけ」と言い放つ。エンターテインメントの作り手はハッピーであるべき――そう語る彼女はインタビュー中ずっと、楽しそうに笑っていた。撮影/小嶋淑子 取材・文/岡本大介 歌は大好きだ