作曲家のプライベートスタジオといえば、所狭しと並ぶ鍵盤や高級ギター、大型のミキサー台などを想像する人が多いのではないだろうか。 ところが、総合格闘技RIZINの音楽監督としても知られる佐伯栄一氏の都内からほど近いプライベートスタジオは、意外にもMacBook Proと数台のモニター、シンプルなMIDIキーボード※のみで成り立っているという。彼が現在の環境を実現した意図とは? ※MIDIをDAWに入力するためのキーボードで、ほとんどの場合、音源を内蔵しない。シンセサイザーやキーボードの機能を兼ねるモデルもある。 当日に曲が変わることも多い ーー佐伯さんはイベントの音楽を担当されることも多いと思います。イベントならではの苦労はありますか? 「総合格闘技の『RIZIN』に2年前から音楽監督として関わっているのですが、当日、現場で『心臓の音が欲しい』って言われたんですよ」 ーー当日ですか。 「その